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元主婦が伝説の女囚人に!?
オーストラリア発の大ヒットサバイバルドラマ
『ウェントワース女子刑務所』とは?
オーストラリア発の海外ドラマ『ウェントワース女子刑務所』。
本作は、刑務所内で起こる女囚人同士の権力争いや
囚人を監視する看守たちの打算的な裏の一面までを描く
衝撃のサバイバルドラマ。
これまでになかった女同士のセンセーショナルな権力争いドラマは、
世界中で瞬く間に人気となった。
Huluで現在シーズン4まで配信されている本作について、
今回はたっぷり紹介していく!
© FremantleMedia Ltd.
気弱な主婦ビーの激変に注目!
本作の主人公であるビーは、DV夫の殺人未遂容疑で逮捕され、
刑務所送りに…。
ごく普通の主婦として生活してきたビーにとって、
女子刑務所はまるで地獄のようだったが、
本作はこの主婦ビーが伝説の女囚人と呼ばれるようになるまでを描いている。
シーズン1の第一話を見ればわかるのだが、
刑務所に入りたてのビーは、ドラッグ常習者や同性愛者、
子どもを引き連れて入所生活を送る女囚人たちにおびえてばかり。
所内での権力争いは日に日に激化。
否応なしに巻き込まれていくビーはとても危なっかしく、
見ているこちらがヒヤヒヤしてしまうほど。
ただただ刑期をおとなしく終え、
一刻も早く愛しい娘のもとへ帰りたいと願うビーだが、
様々な事件を通じてビーは所内で生き残るために、
たくましくなっていく。
シーズンを重ねるごとにビーは初めの頃のおどおどした様子なんて
嘘じゃないかと思うほどに、貫録がつき、険しい表情をした女囚人へと変化するのだ。
まずは、その主人公ビーの女囚人としての変化に注目してほしい。
目や顔の表情が一話ごとにどっしりしてくるのだ。
彼女にスイッチが入っていく瞬間が要所にちりばめられているので、
彼女の変化を楽しみながら見てほしい。
囚人から看守まで、隅々に人間ドラマが!
本作はオーストラリア発のドラマということで、
アメリカドラマほど登場人物が多くないのが特徴だ。
その分、一人ひとりのキャラクターをより深く、ねっとりと描いているため、見応えがある。悪役にさえも感情移入してしまうのは不思議な感覚だ。
描かれる対象は、女囚人たちだけでない。
彼女たちを見守る看守たちの人生にだってフォーカスしている。
本来なら「正義」や「規則」を重んじるはずの看守たちもやっぱり人間。
適当に仕事をする人もいれば、
打算的に生きる人もいる。
「看守」は収入を得るための仕事であって、
囚人がどのような騒ぎを起こしても無視。
囚人と取引し、小銭稼ぎをする正義もモラルもない看守や、
自身が犯罪者側に回ってしまうとんでもない看守など、
看守だけでも成り立つのではないかと思うほど、人間ドラマが多い。
あわせて、囚人たちのキャラクターだって、このドラマの魅力を語る上では外せない。
特に注目したいのが、囚人たちを取りまとめるボスの存在意義。
初代ボスのフランキーは、非常に攻撃的ではあるが、頭のよい女性。
刑務所内で、どう動けばよいのかをよくわきまえており、
ボスで居続けるためには、平等で強い判断をし続けなければならない。
仲間であってもルールを破ったものには容赦なく落とし前をつけさせたり、
囚人が所内で生き残っていくために、看守に取引を持ちかけたり。
このドラマに登場するボスたちは、
人間の本能的なところと理性的なところをバランスよく表現しており、
誰をとってもスリリングで魅了される。
その他、初代ボスのフランキーを強く慕う大柄のブーマーや、
看守と囚人をつなぐ役割を担うアルコール中毒のリズ、
刑務所に住みつく他の囚人の子供をかわいがるドリーンと、
囚人たちにも様々な女性が存在する。
そんな彼女たちには、それぞれに刑務所に入ることになった過去があり、
ストーリーが進むにつれてそれらが明らかになっていく。
時には、涙なくしては見られないエピソードもあり、
悪役にさえ愛おしいと思ってしまう瞬間が必ずある。
それこそ、このドラマの魔法にかかってしまう瞬間だ。
誰一人としてまともな人がいない状態なのだが、
人間、刑務所の外であってもパーフェクトでまともな人なんていない。
誰だって、打算的だったり、偽善者だったり、
嫉妬や欲望に苦しめられている。
そんな誰しもがもつドロドロした感情を
「女子刑務所」という小さな社会の中で描いているのだ。
更生したいけど、外に出て、また罪を犯してしまうのではないかと怖いなど、それぞれが抱える葛藤や、何かと戦って生きている様子を
役者たちがリアリティたっぷりに演じており、
見ているこちらは思わず気持ちが揺さぶられてしまう。
イッキ見覚悟!衝撃の展開の連続
本作は、「刑務所ドラマ」であるが、囚人たちの「脱獄」を描くドラマでは決してない。
「脱獄」ではなく、「刑務所でなんとか生き延びていく」様子をスリリングに描いているのだ。
実際にどこまでのことが本当の刑務所でも起こり得るのかは謎だが、身に覚えのない罪を背負うことになったり、
命が危なかったり、
うかうかしていられないのが本作の現状である…。
誰も助けてくれない、自分の身は自分で、死にもの狂いで守るしかないのだ。
そんなサバイバルな環境の中で起こる謎の殺人事件。
ビーは全く身に覚えがないのに犯人扱いされてしまう。
真相はいかに?犯人は誰なのか?
ビーは無実を周囲に認めさせ、どう乗り切るのか?
サバイバルドラマでありながらも
サスペンス要素も十分に織り交ぜられていて、
気が付けば最後まで見続けてしまう、
まさにイッキ見必至なドラマである。
以上が、ドラマ『ウェントワース女子刑務所』の魅力である。
女性だらけな刑務所内で
か弱い囚人ビーはどのようにナンバーワンになっていくのか?
そこに正義はあるのか?殺人事件の真相は?
奥深く、丁寧に、かつスリルたっぷりに描かれた
ホットなオーストラリアドラマを今すぐチェックしたい!
(text:伊藤ハルカ)
伊藤 ハルカ
週に20本、年間1500本以上のアメリカドラマを観る、「日本一アメドラを観る女子」。「アメドラ界のデーブ・スペクター」を目指し、アメドラコラムニストとして幅広いメディアで活躍中。