Huluエピソード1シアター

あなたは耐えられますか?
23秒間、沈黙するシーン。
でも、その23秒で歴史が動いたんですよっ!

タイトルにある「愛と欲望のハレム」。
人の歴史は、愛の歴史…。
国の主である皇帝も一人の男ですから、
きっとこんな感じだったのでは、と想像させられる
なんだか親しみを覚える男女のラブストーリーでもあります。

いきなりですが!
このドラマに23秒、無音、つまり沈黙のシーンがあるんです。

実に美しく演出される男と女の出会いのシーンです。

男は皇帝。
女は奴隷。

んー、ドラマですねー。

クレオパトラの鼻がもう少し低かったら歴史が変わっていた…
よく耳にする言い回しですね。
昔から誰しも美人には弱いようです。

この画像をみてください。
真ん中が皇帝。彼が惚れたのは、
奴隷として連れてこられた美人。皇帝の右側のワインレッドの女性。

©Tims Productions

ちなみに、右端に嫉妬の目つきで立っているのは皇帝の本妻。
嫉妬に燃え、いろんなことを言ったり、やったりしますが、
なぜか肩入れしてしまうキャラクターです。

トルコドラマですからほとんどの方にとって、
見たこともない役者たち、
耳慣れないトルコ語とロシア語のセリフの応酬だと思います。

見づらいな。日本語吹替とか英語のドラマ見ようかな?
と思われるかもしれません。

が、しかし、まーなんと言いますか、
男と女の関係は、世界共通、時代も国も関係ないわけでして、
「そー、そー」「あぁ!そんなこと言っていいの!?」なんて、
ついつい見てしまう、よくできたドラマなんですね。

おっと、
「23秒の沈黙」に話を戻しましょう。

その前に奴隷の女性、アップ画像をどうぞ。
穏やかな「ワンダー・ウーマン」とでも言いましょうか?
皇帝、一目惚れです。

©Tims Productions

23秒、その沈黙は、
2人が初めて出会う宮殿廊下のシーンでやってきます。

「おーロミオ。あなたはどうしてロミオなの?」
という劇的なセリフも口にせず、

イントロを聴くだけでロマンチックな気持ちになる
セリーヌ・ディオンのタイタニックのような曲にも頼らず、

ただただ、静かな静かな23秒間。

二人の目線の交差、側近たちの表情の変化で
2人とトルコという国の行方が見えるような
すばらしいシーンです。

テレビの前のお客様にテレビに振り向いて欲しかったら
どんなにカッコイイ男や美人を出すよりも、無音が効くんだよ…
テレビ制作者の先輩から聞いたことがあります。

確かに、音の洪水のテレビが急に無音になると、
人は画面を見るのかもしれません。
適度な長さの無音でなければ放送事故に見えますが…。

沈黙といえば、
音楽家ジョン・ケージが作曲した「4分33秒」という曲があります。
これは4分33秒間、無音の曲です。
気になるんですねー。CDでその曲のトラックは音が出ないんですよ。

やっぱり無音は(美男美女よりも)気になります。
そういう意味で「トルコの制作陣、勝負かけたなー」
という感じがします。

ドラマは、
皇帝の本妻、つまりは国を世界を牛耳れる立場をめぐる女の争い。
そこには純愛、裏切り、家族の事情が散りばめられ
ドラマを色々な方向から盛り上げます。

もちろんフィクションですから、
脚色されている「お話」ではありますが、

それにしても世界80以上の国と地域でヒットしているのは
なにか人間の触られたくない本質を捉えているんでしょうね。

何を面白く感じるかは、あなたの目で確認してくださいね。

前回の放送では1、2話のダイジェストでしたが、
今回は3話も加えた1、2、3話のスペシャルダイジェストで、
二人の出会い、その後まで紹介いたします。

主に放送で紹介するのは、皇帝と美人の話が中心ですが、
Huluで配信している完全版では、
皇帝の男らしい厳しい側面もたっぷり見られます。

放送の後、ぜひ配信でもお楽しみください!

(text: Hulu原園明彦)

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