Huluエピソード1シアター
テレビ的なわかりやすい「楽園での男女恋愛模様」という入り口をつくり、実は視聴者へ深い問いかけを埋め込んだ「シエスタ・キー」…恐るべし。
タイトルの「シエスタ・キー」。フロリダの高級リゾートの地名です。
そこに住む若い男女7名+αの恋愛模様をカメラが覗く。
…みんな大胆、過激で…真剣なんだろうなぁ。
いつしか市民権を得た「リアリティーショー」というジャンル。
いちばん見られたくない姿をカメラが映し出し、世界中の視聴者は「それが見たかった!」と言わんばかりに楽しむ番組。しかし、近年のリアリティ番組とは一線を画すのがこの「シエスタ・キー~フロリダ・ハイエンドライフ~」。
映像はいちいちお洒落でスタイリッシュ。
隠し撮りではないので、出演者も納得のうえでカメラの前で「素」をさらけ出します。
もしかしたらカメラの前なので、少々オーバーに振舞ったりしている可能性もありますね。
しかし、そんな行動もカメラを通した映像になると、番組としてちょうどいいんですね(笑
視聴者は予備知識なしで見てもわかりやすく、制作側の問いかけも伝わりやすくなります。
ヒットする番組には必ず制作側の明確な問いかけがあります。この「シエスタ・キー」も例外ではありません。
ではこの「シエスタ・キー」。
豪邸、快晴の気候、碧い海、美形の男女というパーツを使いながら、
制作側は何を視聴者へ問いかけたいのでしょう?
彼ら7名が主な登場人物です。
真ん中の男の子(アレックス君)が大富豪の息子、で主人公。モテモテ男です。
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今回のHulu 傑作シアターでご紹介する第1話ではアレックスの「光の部分」が描かれます。
恵まれた大富豪の息子、温暖な地でのパーティの日々、そこへ彼のステディになりたい美女たちが多数…。
いいでしょう。入り口としてはイメージ通り、いやイメージを超える「青春」です。
しかし、第2話以降の壮大な前フリなんですね。
第2話以降、アレックスの「陰の部分」がじわじわと描かれます。
女性たちとの関係のもつれ、実の兄弟との関係、人生の挫折。
完璧に見えたアレックス像が音をたてて崩れ始め、と同時に、アレックスに人間らしさ、親近感を覚えるようになるんです。
その頃から徐々に、アレックスを通して視聴者へ「人生、油断禁物」「あなたは大丈夫?」と問いかけてきます。
それがわかりやすく描かれますので、視聴者は、時に反省しながら、画面に釘付けになっていきます。
この舞台は常夏フロリダの高級リゾート地。
テレビとしては最高の映像でしょう。
では、そんな楽園を舞台に、なぜ製作者たちは「人生、油断禁物」と訴えかけるのでしょう?
それは見てからのお楽しみ。
番組の軸は恋愛ですから、下記のような場面が多く映し出され、
視聴者は「そりゃぁないでしょう!」とか「そうなんだよねー」と一緒に楽しく見られる構成になっております。
夏を謳歌する若者の物語なので、もちろん失敗もあります。しかし、そんな姿を見ていると、人生の教訓や青春をふと思い出すのが「シエスタ・キー~フロリダ・ハイエンドライフ~」なのです。
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観て楽しむだけのリアリティーショーから一歩踏み込み、
「人の振り見て我が振り直せ」を痛感する新しい切り口の番組。
春休みにイッキ見でお楽しみください。