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間違われつづける男たちのドラマは、間違いなく笑えて楽しめること間違いなし。
スリル満点。でも絶妙なタイミングで笑いが盛り込まれ、見たあと爽快な気分になる貴重なドラマです。
© BBC 2013
写真、向かって右側の方。ジェームス・コーデンさん。
このドラマの主演であり、脚本も執筆されている方です。
主演も脚本も、というと映画関係者でいえば、北野武監督。竹中直人監督がすぐに思いつきますが、海外にもシルヴェスター・スタローン監督など多才な方は沢山いらっしゃいますね。
自分で自分が主役の作品を制作する、とはどんな感覚なのでしょう?
おそらく、自分を使いきるために、他にはない「勝負ポイント」をつくるはずです。
「勝負ポイント」…大事ですね。これがない作品は見ていてつまらないですから。
「ロングマンズ/間違えられた男たち」の勝負ポイントは「笑いとスリル」です。
言葉で書くと「そりゃ、エンタテイメントなんだから当然でしょ」と思うかもしれません。
しかし、この2点をうまくブレンドすることは難しいと思いますよ。
「笑いとスリル」、例えるならば「水とアブラ」ですから、混ぜ具合によってはお腹をこわす=つまらなくなる。危険な要素です。
ドラマは、タイトル通り「間違えられる男たち」の物語。
スリルがうまく演出された海外ドラマは多数ありますが、正直な話、スリルだけでは緊張しすぎてしまい、見ていて多少疲れを感じることもありませんか?
このドラマは普通の人が、ある悪い人と間違えられ、誘拐、殺人、スパイなどに次々に巻き込まれ、その規模も国家間の対立レベルまで拡大。ジェットコースター的に展開していきますが、でも必ずノンキに笑えるシーンが絶妙のタイミングで仕込まれています。
自分が主演ですから、脚本はかなり練りこんでいるはず(笑
そんなペースで進むドラマが、1話30分というのも実に見やすいんです。
電車での移動中など、ちょうどいい感じですね。
そんな「ロングマンズ/間違えられた男たち」。自己満足に終わることなく、英国のアカデミー賞に2年連続ノミネートされるという注目作品でもあります。
ジェームス・コーデンさん。
米国で月~金のレギュラートークショーの司会者もつとめています。
テレビの司会ができるタレントさんは、人気があることはもちろん、頭脳明晰、そして時代の空気を読める人でなくてはなりません。貴重なんです。
そんな才能が世に送り出した笑いと緊張のほどよいドラマ、ぜひご覧ください。
(text: Hulu原園明彦)