香港で開催されるファッションショー「東京ガーリーモード」にモデルとして出演することになった七瀬美雪(川口春奈)は私立不動高校の2年生。突然失踪した有名中国人モデルの代役として抜擢された美雪について香港まできたのが、幼馴染みの金田一はじめ(山田涼介)と後輩の佐木竜二(有岡大貴)。普段は能天気でお調子者のはじめだが、実はかの名探偵・金田一耕助の孫。(注:金田一耕助とは、『犬神家の一族』『八つ墓村』など、横溝正史の推理小説の主人公で日本を代表する名探偵。冴えない外見とは裏腹に、どんな難事件でも解決する)
香港観光を満喫する3人だったが、突然、美雪が姿を消してしまった。美雪を追って街に駈け出したはじめは、長い坂道をスケボーで疾走し追いかけるが、見失ってしまう。
途方にくれるはじめに、「けいさつにいえばおんなのいのちはない」という携帯メールが届く。メールには誘拐された美雪の映像が添付され、しばらくすると血まみれの画面に変わり、そこには「毒龍」という文字が……。
その誘拐事件からほどなく、はじめと佐木は美雪そっくりな少女と出会う。彼女こそ「東京ガーリーモード」に出るはずだった失踪モデル、ヤン・ラン(川口春奈)だった。彼女に事情を打ち明けると、ランは「あたしと間違えられてさらわれたのかも」と言い始める。彼女の身体には九龍の財宝の在り処を示すと言われるタトゥーがあったのだ。その財宝を狙った誰かが美雪を誘拐したのではないか… そこではじめは「しばらく美雪のフリをしてもらえないか」と提案する。ランをおとりにして犯人を捜し出そうというのだ。
快く引き受けてくれたランと共にはじめと佐木はファッションショーが開催される会場へ向かった。そこで3人を出迎えたのは、「東京ガーリーモード」を運営しているファッション・プロモーターで美雪をスカウトした瀧川龍太(桐谷健太)。さらに香港のプロモーター、チャン・ヨングー(矢野浩二)とデザイナーのリュウ・アイビー(ビビアン・スー)に挨拶するはじめたち。会場にはショーの警護と称して、リー・バイロン(ウーズン)と名乗る台湾保安警察の刑事も登場した。
ところが、前夜祭パーティーに出席したはじめたちの目の前でショーの主催者・チャンがうめき声をあげ、血を吐いて苦しみながら絶命した。死因が毒殺と判明すると、リー刑事は真っ先にチャンにシャンパンを注いだウエイター、キム・ロンドン(V.I)に疑いの目を向ける。だが、はじめの機転でキムが犯人ではないことが証明される。そこへ美雪からメールが……。
「あたしは無事です。でも、警察に誘拐されたことが知られると殺されるかも。目的が果たされたら、生きて帰してくれると言ってます。 美雪」
どうすることも出来ないはじめたちは、その夜、キムの誘いで彼のアパートに泊まることとなった。キムは韓国からの留学生でアルバイトをしているという。彼の部屋から香港名物のレーザーショーが見られると聞き、アイビーと食事をしているランも誘って4人はキムのアパートへ集まった。そこではじめたちはアイビーから“九龍財宝”の伝説を聞く。
それは、20年前、まだ東洋の魔窟と呼ばれた九龍城があったころ、時価数十億と言われる99カラットのダイアモンドが存在していたという伝説。その財宝を守っていたのが、“九龍皇帝”の異名を持つワン・ロン(エリック・ツァン)だった。
突然、上の部屋から騒々しい声が聞こえてくる。キムのアパートの上の階に住んでいたシン(小松拓也)が何者かに殺されたのだ。死んだシンのポケットには、「毒龍からは逃げられない」と中国語で書かれたメモが入っていた。事件の裏には、20年前に消えた“九龍財宝”が関わっていると言うリー刑事。
果たして事件の真相は?!
はじめは無事、美雪を助け出すことができるのか?!