ハーマン メルヴィル  『作家として挑戦した家』

(2004/10/27放送)


マサチューセッツ州にある美しい町・ピッツフィールド。
湖のそばに佇む黄色い家で、
メルヴィルは「白鯨」を執筆しました。


   
彼が都会の喧騒を離れ、
妻と生まれて間もない長男を伴い、静かなこの地にやってきたのは、
31歳の秋のこと。


   
   
爽やかな風が吹き抜ける部屋で、
息子の安らかな寝顔を見つめながら、彼は心に決めるのです。
挫折していたあの大作に、もう一度取り組もうと。


   
くる日もくる日も、捕鯨船に乗っていた若き時代に思いを馳せ、
やがて彼は、壮大な物語を綴っていきました。
書斎に篭り、食事を摂ることも忘れ、
ただひたすら、原稿用紙の上にペンを走らせていくのです。
彼にとって永遠のテーマである、自然と文明の対立を…。


   
「わしには、あの白鯨が、壁なのじゃ。
 壁をぶち抜かなければ、そとに出られない」(「白鯨」より)
   
白い鯨・モビーディックを追い求め、
どこまでも大海原を行くエイハブ船長の姿は、
作家として常に挑み続けるメルヴィルの、
熱き魂だったのかもしれません。


ハーマン メルヴィル  『作家として挑戦した家』

(2004/10/27放送)

今回の放送のBGM♪
「Angels」唄ROBBIE WILLIAMS
次回(11月3日)の『心に残る家』は
吉屋信子『「徳川の夫人たち」を執筆した家』
をお送りします。
お楽しみに。