■ 長講堂(ちょうこうどう)
  10月15日放送


長講堂は、後白河法皇の持仏堂として六条の御所に創建された寺です。10月29日〜11月7日の間、後白河法皇に関わる寺宝が特別公開されます。
本堂に祀られているのは「阿弥陀三尊像」。後白河法皇時代の代表的な仏像とされています。
法皇殿には、「勅封後白河法皇御真影」(法皇の自画像とされるもの。非公開)が安置されており、今回は、その模写が公開されます。

また、その自画像を元に江戸時代に刻まれた木像が、「後白河法皇御尊像」。京仏師康智の作で江戸時代の肖像彫刻の代表とされるものです。 長講堂には、後白河法皇直筆の現在過去帳が保管されており、今回これも公開されます。行真という法皇の薙髪名が署名され、神武天皇より安徳天皇に至る歴代の天皇、そして、平清盛、義経など源平の武士、さらには白拍子など法皇と因縁のある人々の名前が記されています。



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長講堂は、後白河法皇の持仏堂として創建された寺です。

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平安末期、法皇は、平家の力を背景に朝廷で強大な権力をふるいました。
ところが、次第に平家と対立が深まり、
ついには、平家討伐の令を全国の源氏に発します。
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平家滅亡の後には、源頼朝と義経のはざまで揺れ動いた法皇。

05 後白河法皇直筆の過去現在帳には、
祖先の名前にならんで、平清盛や義経の名前が記されています。

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敵も味方もなく、人生にかかわった一人一人を思い出し
その供養をして法皇は晩年をこの寺で過ごしました。

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全てを忘れ、国の行く末だけを案じて手を合わせた法皇の思いを
阿弥陀さまは ただやさしく受け止めたことでしょう。
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歴史を動かそうとしながらも、歴史に翻弄されていった後白河法皇。

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法皇の生きた時代に思いをはせる京都の旅です。

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長講堂は後白河法皇と縁の深い寺です。NHKの大河ドラマ「義経」にも後白河法皇は随所に登場し、どちらかというと策謀をめぐらす悪人に描かれているようです。
長講堂の現住職は、それがやや不満で、「仏教を信心し、国家の平安を願い、過去帳には源平の武士たちを記し供養を怠らなかった慈悲深い面も知ってほしい」ことが、今回特別公開した理由であるとおっしゃっていました。 過去帳を見ると確かに、平清盛、義経などの名前が、祖先の天皇の名前と並列に記されています。過去帳を書いたのは晩年とされ、その頃には、清盛も義経も亡くなっています。後白河法皇は、敵にも味方にもなった人々の名を、どんな想いで一人一人記していったのでしょうか。

歴史上の人間には、光も影もあります。NHK大河ドラマとは違った面を発見しに、長講堂を訪ねてみてはいかがでしょうか。



「 秋雨 Autumn Rain 」
作曲者:恩田直幸
演奏者:恩田直幸