今週の放送内容

天龍寺(てんりゅうじ)
9月1日放送

室町時代初期、1345年に創建された天龍寺は、臨済宗天龍寺派の大本山、京都五山の第一位にあたるお寺です。
後醍醐天皇の崩御に際し、夢窓国師は菩提を弔う禅寺創建を足利尊氏に提唱。それを受けて、天龍寺が建立されました。建立の費用をまかなうために「天龍寺船」という貿易船を元に派遣したことでもその名が知られています。
 室町時代には境内を150もの塔頭が取り囲み、嵐山一帯を覆っていました。当時の建造物は全て焼失してしまいましたが、再建された大伽藍は嵐山のシンボルとして堂々たる威容を誇ります。大方丈前に広がる庭は、開山・夢窓国師の作で、創建当時の様子を今に伝えています。嵐山を借景として中央に広大な曹源池をいだき、名園中の名園といわれています。

写真

京都 心の都へ 今週は天龍寺を訪ねます。


写真

さわやかな風が川面(かわも)を渡る夜明けの嵐山。


写真

普段は大勢の人で賑わう天龍寺も、今はまだひっそりとしています。


写真

天龍寺は、室町時代の初め、
後醍醐天皇の菩提を弔うために夢窓国師によって
創建されました。

写真


写真

建立(こんりゅう)費用をまかなうため、 「天龍寺船」を元(げん)の国に派遣。
貿易の利益で造営が進められたことでもその名が知られています。

写真


写真

創建当初の建物は焼失してしまいましたが、
ただ一つ 夢窓国師が作った庭園だけが当時の様子を伝えています。
色合いを変える木々を映す静かな水面(みなも)。
650年前と変わらぬ美しい風景がここにはあります。

写真


写真

静寂の中に響く清らかな水音。


写真

降り注ぐ日差しもすこしずつ和らいできました。
秋の訪れを感じる嵐山の天龍寺です。


1993年に始まって以来、様々な寺社仏閣を紹介してきた「京都 心の都へ」ですが、今回は、実は記念すべき放送回でした。今週の放送で、番組は、なんと700回!を迎えたのです。一口に700といいますが、これは大変な数字だと思います。1年間におよそ50週。それを14年間綿々と積み重ねてきた結果なのですから・・・。これも番組を応援してくださる視聴者のみなさんのおかげと感謝しています。
その記念すべき第700回の番組では、嵐山を代表する大寺院・天龍寺をご紹介しました。静かな曹源池の水面に映る木々など、美しさを感じていただければ幸いです。
番組では、今後も美しい京都の情景を切り取っていきたいと思っています。700回を通過点として、800回、1000回と番組が続くといいなぁ・・・と願いつつ、新型N700系のぞみで帰ってきたのでした。


「FIELDS OF FORTUNE」
作曲・演奏者:ROLF LOVLAND・SECRET GARDEN