このコーナーでは、ジャンル(※)の区分の萌芽がみられたフランス17世紀の作例によって、歴史画・肖像画・風景画・静物画・風俗画の5つのジャンルを紹介します。
※「ジャンル genre」というフランス語は、元来、種類や分野を意味し、画題によるカテゴリー分けの「ジャンル」を指したが、次第に「歴史画以外の諸ジャンル(風景、静物、動物、同時代の人々の風俗を描いた絵画)」を指す場合にも使われるようになった。さらに18世紀後半に「ジャンル画 Peinture de genre」の語が現れ、1770-80年代以降、今日でいう「風俗画」を意味する語として定着していった。