放送内容

 

#16

2020年1月18日(土) OA

茨城・石岡市 100年続く杉線香

筑波山のふもと、茨城県石岡市―
耳をすますと、川のせせらぎの向こうに水車の音が聞こえてきます。

水車小屋で作られているのは、この地で多くとれる杉の葉を砕いた、「杉粉(すぎこ)」。
土地の名産品、「杉線香」の原料となるものです。
水車の力で動かす長さ数メートルの杵で2日、乾燥させた杉の葉をじっくりと砕いて、
練り上げられ、杉粉は出来上がります。

100年以上続く線香づくりの老舗、「駒村清明堂」の5代目・駒村道廣さん。
「杉本来の香りを生むためには、この水車のゆっくりさが大事なんです」

伝統の香りを次世代に伝えるため、
駒村さんは地元小学校の見学会なども積極的に受け入れています。
「水車が動く限りは、線香作りを続けていきたいと思っています」

伝統を守る思いとともに、ほのかな杉の香りが今日も山間に広がります。