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ぼくの魔法使い

2003年4月期 土曜ドラマ
ストーリー

第1回

結婚3年目なのに、ラブラブの道男(伊藤英明)と留美子(篠原涼子)。勤務先の大手広告代理店で、出世に繋がる海外転勤の話があったが、道男は留美子と離れ離れになるのがイヤで悩みこむ。

折りから、自転車に乗っていた留美子が男(古田新太)と激突した、との連絡を受けた道男は、あっさりと会社を辞めてしまう。いつも一緒に働ける場所はないか、と就職活動をするが、不況の時代になかなか働き口はない。おまけに、べったりとくっついて面接を受ける2人を面接官が採用するはずもない。

そんな2人が目を付けたのは、家の近くに『広告代理店』と看板を出していた事務所。ここがいいと面接を受けた2人は、社長の蟹広吉(西村雅彦)に「一人分しか給料を出せない」と言われるが、スープが冷めない距離ということで納得。ところが、広告代理店とばかり思っていたこの会社は、看板をよく見ると『広吉代理店』、蟹を含め社員3人の便利屋だったのだ。仕事は、留守番、ベビーシッター、犬の散歩から、麻雀の相手というのもある。スーパーの広告を頼まれることもあると聞いた道男と留美子は、何となく納得して、ここで働くことにしてしまった。

さっそく仕事を始めた道男の最初の客は、妖艶な若妻と一緒にやってきた横山(渡辺いっけい)というサラリーマン。横山は出張する間に部屋のリフォームをして欲しい、という。道男は、予算が少なすぎるため困り果てるが、社員の一人・田辺まもる(阿部サダヲ)が芝居のセットも作っていると知り、その技を借りることで万事解決。翌日から、田辺の劇団の後輩も参加して、横山家のリフォームが始まった。留美子は道男の初仕事のために、現場にやってきてかいがいしくお手伝い。

そんな中、横山家の各所から、盗撮用のカメラや盗聴器がゾロゾロ。道男らは、出張から戻ったという横山や妻に、カメラなどを見せ、覗かれていたと明かす。だが、横山は、逆に、道男らが仕掛けたと言って、警察沙汰にすると息巻くばかり。留美子は、道男の無罪を訴えるが、横山は引き下がろうとはしない。

留美子は、自分たちの他に、誰が横山の家に入ったのか、思い出そうとする…。「む~~」とうなった留美子の顔に浮かんだのは、本の位置が違っていたこと、部屋にタバコの吸殻が落ちていたことなどなど。

そして犯人が意外な人物だった事に気づいた。だが、道男は一生懸命記憶をたどっていた留美子の姿を見てビックリ仰天。可愛い留美子が、いつの間にか、いかつい妙な男に変身していた!!

 

第2回

愛する妻・留美子(篠原涼子)がまたヘンなオッさん(古田新太)に変身したらどうしよう――言い知れぬ不安を抱きながら出社した道男のその日の仕事は、自分の彼女が井川遥だと言い張る田辺との営業回り。車に乗りながらマイクを握りしめて妙なCMソングを歌う田辺を見た道男は、だんだん広吉代理店の営業の仕方が分かってくる。

そんな道男らが、地元を縄張りにするヤクザ・黒紋一家の三代目組長・黒木正和の母・チヨに呼ばれ、「子供の引きこもりを治して欲しい」と依頼される。話によると、引きこもっているのは子供ではなく、38歳の組長・黒木本人。4年前、子分が100人もいる黒紋組の跡目を継いだ黒木は、しばらくは頑張っていたのだが、昨年の誕生日から自分の部屋に閉じ篭ってしまった。

ところが、隣町の新興勢力で、縄張り抗争を繰り広げていた富士山興業が、親分衆の話し合いで黒木一家の傘下に入ることになり、盃を交わすことに。つまり、黒木は部屋から出ざるをえなくなったのだ。

世間体を気にして医者には見せられないという、チヨと黒木の妻・良枝(池津祥子)。盃を交わさなければ組が解散になるとことから、チヨ、良枝の他、組員たちも必死。100万円の礼金を受け取ってしまった道男らは、断るに断れなくなった。

道男や蟹(西村雅彦)らは、部屋の中の黒木に聞こえるように、殴りこみをでっち上げるが上手くいかない。しかし、留美子がネットで書き込みの掲示板を検索した結果、黒木が熱狂的な井川遥ファンと判明。田辺の彼女が本物の井川遥だったことを思い出した道男と留美子は、井川を部屋の前に連れて行き、なんとか黒木のおびき出しに成功。さっそく、井川を介して黒木から話を聞いた所、思わぬ原因が明らかになった。

黒木は、小学3年の時、自分の絵が都知事賞に選ばれた。だが、大喜びの黒木に対し、隣町のガキ大将が、「父親がヤクザだから受賞できた」とイジメの一言。父親の裏工作が事実だと知った黒木は、自分はやっぱりヤクザの子供だと自覚しガックリ肩を落とした。今回、盃を交わす富士山興業のトップは、そのガキ大将の山城純(六平直政)だったのだ。

道男らが解決策を求めて頭をひねる中、黒木の部屋に都知事賞の賞状がなかったことを思い出した留美子は、重大な事に気付いた。
ところが、そのことを道男に伝えた留美子の姿がいつの間にか、例のオッさんに変身していて――。

 

第3回

何かを思い出そうとするとミョーな中年男(古田新太)に変身する留美子――。道男は、それがミョーな中年男と留美子との激突が原因だとにらむが、病院での検査で留美子に異常は認められない。道男は、何も知らない留美子に変身していることを知らせるべきかどうかで悩んだ。

そんな折、広吉代理店に、東京見物をしたいという蟹の姪・梨本ナオミがやってきた。栃木の田舎からやってきた女子高生のナオミは、方言丸出しだがチョッピリ可愛い女のコ。だが、道男や留美子に原宿や表参道を案内してもらったナオミの様子が何かヘン。ナオミのナマ写真がにぎやかな街の一角に貼ってあるのを見つけた道男と留美子は、ナオミの目的が東京見物ではなく、スカウトされることだと気付いた。

まもなく、蟹の話から、ナオミが栃木の地元でキャンギャルをやっていて、スター気取りであることがわかった。ナオミの母親・悦子(根岸季衣)は、娘を大学にだけは行かせようと思っているのだが、本人に全くその気はないらしい。蟹は、悦子から、芸能界の厳しさをナオミに教えてやって欲しいと頼まれているのだという。

田辺(阿部サダヲ)と共にナオミの世話を頼まれた道男は、ミュージカルのオーディションを受けると聞き、芸能界をあきらめさせるチャンスとばかり特訓を始めた。代理店内に作ったレッスン場には井川遥(井川遥)や、ジャズダンスを教える小松(大倉孝二)らがやって来て、ナオミにプロの厳しさを叩き込む。

だが、そこに蟹の妻・三千代(秋山菜津子)と共に悦子が姿を見せたことから、ナオミと悦子の思わぬ心の葛藤が明らかになった。ナオミが5歳の時に夫を亡くした悦子は、その後、駅のミルクスタンドで働いて頑張ってきた。夫の実家からの援助もあって少しお金を貯めた悦子は、それでナオミを進学させようと思った。ところが、一方のナオミの思いは全く別の所にあった…。

ナオミと母親との話し合いが必要だと考えた道男と留美子だったが――。

 

第4回

エステでようやく自分がミョーな中年男に変身していることに気付いた留美子は、それを教えてくれなかった道男に猛抗議。道男の優しさに耐えられなくなった留美子は、実家へ舞い戻る。慌てて実家を訪ねた道男は、拓也(小倉久寛)とたまき(木内みどり)には本当のことを伏せて、留美子を懸命に説得。まもなく、2人は、協力してこの事態を乗り越えようと誓い合う。

そんなある日、代理店にマリーを名乗る女から、「港からバッグを運んで欲しい」との依頼。元々、探偵に憧れていた蟹と田辺は、このドラマチックでミステリアスな依頼にガゼン燃え上がる。姿を見せないマリーからの連絡で品川埠頭へ行った2人は、漁船で近づいてきた外国人からバッグを受け取り、指示されたコインロッカーに。見ることを許されなかったバッグの中身は、麻薬か、それとも拳銃か…。蟹と田辺の興奮は収まりそうにない。

道男は、その頃、世話を依頬された犬を散歩させながら、ミョーな中年男に事実関係を伝えようとヤッキになっていた。みんなの話をまとめるとその男は、テレビにも出演している田町式記憶塾 塾長の田町浩二。田町に会うためその記憶塾に入塾した道男は、ようやく田町本人に会い、真相を告げる。

「僕の奥さん、あなたにそっくりなんです」

留美子が変身している間、意識がない田町の方は、いきなり生徒から妙なことを言われても、全く理解できない。だが、田町は、自分が女装をして商店街を走っている“スクープ写真”が雑誌に掲載されたことから、異変に気付き大慌てで道男のことを調べ始める。

そんな中、再びマリーからの依頼でバッグを運んだ蟹らは、たまたま犬を散歩中の道男と出会ったことから、その中に意外な物が入っていたと知る。

果たして、蟹らが運んだバッグの中に入っていたものとはいったい何か!? またまた代理店は大騒ぎに!!そして、謎を解こうとした留美子は再び田町に変身するが、これをある人物に見られてしまい――。

 

第5回

もう一度頭と頭をぶつけ合えば妙な変身をしなくなると考えた留美子と田町は、再び自転車に乗って正面衝突。激突した2人の脳が光るのを見た道男は、これで留美子の“病気”が治ったと思った。

そんな折、広吉代理店に、金子知美(広岡由里子)という主婦が現れ、『いちじく 大福』を食べて欲しい、との変な依頼をする。知美の夫・金子賢治(恵俊彰)は、製薬会社の宣伝担当。この金子の家に、事あるごとに大手広告代理店の担当者から、いちじく入りの大福が贈られてくるようになったらしい。

ところが、金子はアンコが大の苦手、残る家族の知美と息子・清(田中亜留羽)はいちじくが大嫌い。捨てるに捨てられないいちじく大福は、金子家の巨大な冷凍庫の中にギッシリと溜まってしまったのだ。道男と田辺(阿部サダヲ)は、さっそく大量の大福を代理店に持ち帰り、みんなで食べ始めた。

代理店では、留美子の変身を目の当たりにした田辺が、みんなにそれを見せようとヤッキ。だが、留美子は、変身を見せたい田辺から山手線ゲームに誘われるが、無事クリア。様子を聞きに行った田町も調子がいいと知った道男は、留美子と田町を再び激突させたのがよかったと確信した。

まもなく、大福をようやく食べ終えた代理店に、知美からまた大福が送られてきたとの連絡。道男らは、やはり直接送り主に説明しないと問題は解決しないとの結論を出す。だが、よくよく話を聞くと、その相手は、道男のかつての上司・桜庭(斉藤洋介)。行きづらいのを我慢して、蟹(西村雅彦)と一緒に桜庭に会った道男は、金子にいちじく大福を贈らないよう頼み込んだ。桜庭はこれを納得し、金子のいちじく大福の問題は、一件落着。

ところが、金子に何を贈ろうかと悩みこんだ桜庭が、自殺未遂。慌てて、病院に駆けつけた道男は、桜庭にプレゼントのハウツーを指南するが、金子家への贈り物だけは決まらないようであった。

大忙しの道男は、妊娠したらしい西(小田茜)のことで悩み込む田町に呼び出され、本番を控えたテレビ局の楽屋を訪ねた。西の妊娠検査の結果を一緒に聞いて欲しいと道男に頼み込む田町。そんな道男の元に、金子から、桜庭が押しかけて来たとSOSを告げる連絡。この話を聞いた田町は、金子に清という息子がいると知り、考え込む。

その時、道男は、これまで意識を失うだけだった田町がなんと留美子に変身していると気付き、愕然…。そして、その頃、蟹、西、小松(大倉孝二)らと代理店で麻雀をしていた留美子も、田町に変身していて――。

 

第6回

「変身をもう一度見せろ」という西(小田茜)やスーザン(ベッキー)の要望に応えて力んでみせる留美子。西らは奇跡の一瞬を確認しようと息をこらすが、留美子に変化は起こらない。

発覚した西の妊娠も大事件で、蟹(西村雅彦)は妻の三千代(秋山菜津子)と共に善後策を求めて頭をひねる。実は、この妊娠は西の勘違いだったのだが、今さらそれを明かすことが出来ない西は困り果てる。

そんな折、代理店に渋沢恭子という若い女がやってきて、いきなり道男に付き合って欲しい、と頼み込んだ。話によると、OLの恭子は、お酒を一滴も飲めないのに飲み会に誘われることが多く、断るのに一苦労。カレシがいることにすれば簡単に断れると考えた恭子は、そのカレシ役が欲しいのだという。

恭子が出した条件は、携帯の待ち受け画面を道男の顔にすること、毎日夕方5時にメールをすること、どうしても飲み会の誘いを断れなかった時は1時間ごとに電話をすることの3点。留美子の許しを取り付けた道男は、さっそく仕事を開始した。

ところが、田辺(阿部サダヲ)の目撃情報から、思わぬ事実が判明した。恭子は、酒を一滴も飲めないどころか、ひどい酒乱。また、悪いことに、酒で乱れたことを全く覚えていない。つまり恭子は、酒を飲んじゃいけない人だったのだ。酒乱の実際の状況や、会社の同僚の話をデジカメで見せられた恭子は、初めて見る自分の醜態にショックを受けて泣き出す。

その日の朝も酔っ払った揚句に田町(古田新太)とホテルのベッドの中にいたと知った道男は、恭子を断酒させようと決意した。恭子の断酒は、留美子はもちろん小松(大倉孝二)や田辺らの協力で始まった。

ダンス療法、演劇療法、留美子は、恭子が酒を飲むようになったきっかけを聞く。すると、恭子の飲酒に、昨年まで付き合っていた敏之(岡田義徳)という男の存在が関係していることが分かった。

恭子の話によると、結婚を前提に付き合っていた敏之は、金沢の造り酒屋の一人息子。その敏之が、ある日突然、部屋を出て行った。恭子は金沢の造り酒屋を調べたが敏之を見つけることが出来ず、それがきっかけで酒を飲むようになったらしいのだが――。

 

第7回

田町に変身した留美子が元に戻らないと気付いた道男は、仕方なく留美子の姿のままの田町と3人で暮らすことになった。もう二度と元に戻らないと思った道男の意気は全く上がらない。

そんな中、地元の学校・聖すみれ女学園から蟹(西村雅彦)の代理店に難問が持ち込まれた。この学校は、3年前にできた新設校ながら都内でもダントツの進学率を誇り、全国的にも名門校の地位を確立した実力校。この学校から数百メートルの場所に同じ名前『聖すみれ女学園』というお触りパブが出現した。

女性校長の橋本すみれは、店のホステスの制服が自分の学校と同じだったこともあり、名称と制服の変更を求める交渉をして欲しい、と依頼してきたのだ。

ところが、道男と田辺(阿部サダヲ)が会ったお触りパブの店長・森田(村杉蝉之介)の話によると、『聖すみれ女学園』というお触りパブは、10年前に大阪で開業して以来全国展開しているチェーン店で、制服に関しても10年前から同じ。つまり、お触りパブ側が名前も制服に関しても前から使用していたのだ。

この報告を聞いた橋本ら関係者は、何としてもお触りパブを潰そうと、今度はその弱点を探すよう依頼。道男は、スーザン(ベッキー)をホステスに仕立てて潜入させる一方、お触りパブの開業で売上げガタ落ちの小松(大倉孝二)と一緒に調査を始めた。その結果、衛生面や消防面で全く問題はなかったものの、思わぬ事実が明らかになった。

なんと、聖すみれ女学園の現役の高校3年生で、小松のカノジョ・白鳥明日美(前田愛)がお触りパブでホステスのバイトをしていたのだ。未成年を雇っていたことがバレれば、パブは橋本の思惑通り営業停止になる。だが、そうなれば、明日美の退学も決定的。悩んだ道男は、森田に店の名称と制服の変更を検討するよう再び頼み込んだ。

まもなく、お触りパブに入るところを目撃された明日美が、校長室に呼び出された。これを知った道男と小松は、明日美を助けるため、大慌てで駆けつけるが――。

 

第8回

所属する劇団ディックマードックの公演が来週に迫っているにもかかわらず、田辺の表情が全く冴えない。実は、その公演の台本がまだ出来上がっていないのだ。今回の演目『マスクド花嫁・アメリカ修業』は5年前にやった『マスクド花嫁』の続編。

劇団の座長で、作・演出の上野パンダ(及川光博)は、この一作で一躍売れっ子作家の仲間入りをした。だが、それ以降は下り坂で、公演のお客も減る一方。この公演は、まさに劇団の今後を占うものだったのだ。

田辺以外の劇団員ももちろん困り果てていて、主演女優の内海香織(須藤理彩)は、半分キレ気味。タカ(伊達暁)やヤス(少路勇介)も頭を抱える。半泣きの田辺に、台本が仕上がるよう上野を説得して欲しい、と頼まれた道男は、否応なく手伝うはめになった。

上野は、本や資料、ビデオなどが散乱するアパートに住んでいた。「この部屋でいいのを書いちゃったから」という上野は、引っ越しをするつもりはないらしい。道男の話を聞いた上野は、あっさり、「明日の朝までにファックスで送る」と約束する。

ところが、その後、ファックスで送られてきたのは、“ワープロのデータが消えた”とか“病院で点滴を打った”という弁解ばかり。

このファックスを見た香織の話によると、出世作『マスクド花嫁』を書き上げた当時、上野は出版社でバイトをしていた。ギリギリの状態だった上野は、部屋を片付けた香織をなぜか殴りつけたこともあったらしい。部屋が散乱しているのは、上野が当時の状況に自分を追い込むためだ、と香織はまだ希望を捨てない様子。

公演を4日後に控えた日、田辺はたまたま出会った黒紋一家の組長・黒木正和(温水洋一)に励まされた。黒木は、田辺が公演のチラシに井川遙(井川遙)の写真を大きく使ったため、公演を楽しみにしているのだ。この黒木が、最前列の席を全て押さえたと知った田辺は、いよいよ公演を中止できない立場に追い込まれた。

そんな中、何も知らない留美子が、上野の部屋をきれいに整頓してしまった。部屋を見た上野は、まもなく劇団員たちに公演は出来ないと宣言。これを知った道男が公演のチケットを捨てようとした時、突然、留美子の脳みそが点滅した!そして、ついに、上野が台本を書けない衝撃の理由が明らかになって――。

 

第9回

西(小田茜)を巡る蟹(西村雅彦)と田町の三角関係がごたつく中、会社にやってきた井川が田辺と別れると宣言する。話によると、井川は、海外を舞台にした大作映画のヒロイン役が舞い込んだことからダイエットを始めたのだが、田辺がノー天気にもグラビアアイドルの写真集を見ていたというのだ。道男らは、井川本人のためにも、そして、大いに反省している田辺に頼まれたこともあり、2週間で40キロまで体重を落とす大ダイエット作戦を始めた。

作戦の内容は、道男がパソコンで検索したデータを元にした食事療法やトレーニング。だが、一緒に身体を動かした田辺がゲッソリ痩せたのに、井川の体重は全く変わらない。疑問に思った道男と田辺は、井川が仕事中に食欲の誘惑に負けているのではないかと、尾行調査を行った。監督やプロデューサーたちと焼肉屋に入っていく井川。じっと様子を見守る道男と田辺。

そんな折、道男は、家族3人で焼肉屋に入りながら、一枚も肉を食べられない子供を発見。まもなく、その少年が、広吉代理店に「肉が食べられない」とメールしてきたやすおだと気付いた。やすおの母規・金井麻紀(八木小織)の話によると、2人と一緒にいたのは、麻紀が再婚を予定している松原肇(山崎一)。

事情を知った麻紀に原因を解き明かして欲しいと頼まれた道男は、やすおを家に呼んで肉好きかどうかを調査。その結果、やすおの本当の真実を知った。

まもなく、道男は、家にやってきた田町に、トレーニング中の井川がぶつかり、互いの頭が激突したと明かされた。道男、田町それぞれが悪い予感を巡らす。そして、田町の変身する兆しを感じ取った道男は、すぐに実家に戻っている留美子(篠原涼子)のことを思い浮かべた。大急ぎで留美子の実家に駆け込んだ道男は、拓也(小倉久寛)やたまき(木内みどり)の前で、田町に変身する寸前の留美子にキス。大騒ぎを滑り込みセーフで食い止めた道男は、ほっと一安心。そんな道男に、留美子は、やすおの意外な事実を告げるが――。

そして、その頃、田辺の部屋では、なんと井川がある人に変身。気付いた田辺が絶叫!!

 

第10回

田町が、留美子との変身の様子を書いたノンフィクンョン本を出版、これが60万部を超えるベストセラーになる。

ところが、この本に対し、内容に科学的根拠がないとか、SF小説のパクリだとかいう批判や反論などが続出。おまけに、『変身症候群・被害者の会』を名乗る団体から、自分たちの談話を本にしたとの抗議まで舞い込む。

困り果てた田町は、蟹(西村雅彦)の事務所を訪れ、変身を公開したいので協力して欲しい、と頭を下げる。テーブルに積み上げられた1,500万円の礼金を見た蟹らは、事場所の経営が苦しくボーナスどころか給料も払えない状態だったことから、即協力を約束。同じ病気の人と会えば治療法も見つかると考えた留美子は、蟹らに土下座されたこともあり、変身の公開に同意した。

出版社の編集者の仲介で変身症候群被害者の会の人たちと会った留美子と田町は、この症状が実際に存在するものだと知る。やがて、2人は、自分たちが同じ症状だということを証明するために変身し、被害者の会の人たちとの和解が成立した。

だが、田町バッシングは、これで収まらなかった。田町についてあることないことがマスコミで取り上げられる中、記憶塾の生徒たちが損害賠償を求めるなど、田町を巡る様々なトラブルが噴出したのだ。

一方、拓也(小倉久寛)とたまき(木内みどり)に子作りを勧められ頑張る道男は、その心の片隅でイマイチ納得できないところもあった。留美子が母親になる実感もなかったのだが、生まれてくる子供がどんな顔なのか不安だったからだ。

やがて、留美子が変身症候群の被害者の会の人たちとの交流などで忙しくなる中、道男と留美子の間に微妙な距離が出来はじめた。留美子が田町と一緒に、今度はテレビで変身を公開すると知った道男は大反対。道男の自分に対する魔法が解けてしまったと思った留美子は――。

 

最終回

留美子のお腹で3ヶ月の“ミニみったん”が順調に育っていることが分かり、町田家では笑顔が絶えない。そんな折、蟹が費用は会社持ちで、慰安旅行に行くと発表。幹事になった道男の計画で、湯河原温泉に行くことになった。参加者は、社員全員に小松(大倉孝二)、スーザン(ベッキー)、モコミチ(速水もこみち)など関係者全員。妊娠中ということで留守番役だった留美子もやってきて慰安会は大盛り上がり。

ところが、旅行が終わり広吉代理店に戻った道男らは、会社がヤミ金の事務所になっていると気付き、愕然となった。社長の渡辺(生瀬勝久)の話によると、蟹が借りた100万円が元利合計で1,000万円を超える額にふくれ上がったらしいのだ。ただ、姿をくらました蟹は、社員たちに影響を及ぼす内容の借用書だけは、渡辺側に渡していないようであった。

突然、失職してしまった道男、田辺(阿部サダヲ)、西(小田茜)らは大慌て。特に留美子の出産を控えた道男は、急いで仕事探しを始めた。以前働いていた大手広告代理店や、拓也の会社から入社OKの話をもらうが、道男はなぜか積極的になれない。

まもなく、道男は偶然言葉を交わしたお年寄りらの話から、広吉代理店が町内になくてはならない存在だったことに気付いた。実は蟹が使った100万円は、町内の足の不自由なお年寄りたちに、電動スクーターをプレゼントした代金だったのだ。

地元に根付いた便利屋こそ一生を賭けてやりたい仕事だと悟った道男は、この町でゼロから便利屋を始めようと決意し、そのことを留美子に打ち明けた。留美子は、事務所が閉鎖されてからも広吉代理店のホームページを管理していたらしく、道男の決意に笑顔で応える。そのホームページには、何十件もの依頼のメールが入っていた。

やがて、自宅のマンションのベランダに『広吉代理店』の看板を掲げた道男は、便利屋の仕事を一人で再開するが――。

果たして、道男が再開した便利屋はどうなるのか?
姿をくらました蟹の行方は、借金は?
そして、何かが起こる気配の留美子の出産は?

感動と爆笑の結末が待っている、最終回!!。

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