第一回「ママモコモくらぶ」座談会
~男性の育児休業を考える~

時間割

「ママモコモくらぶ」座談会。
3月中旬に開催された、第一回のテーマは「男性の育児休業を考える」。

実際に育児休業を取得したパパたちに、育児休業の決断・子育てについて・ママへの本音・男性が育児参加しやすくなる社会に必要なことなどを語ってもらいました。

参加者プロフィール

Tさん(40代) 金融会社勤務
子どもの年齢/8歳・5歳
育休歴/長女が生後7ヶ月の時に8ヶ月の育休取得
(会社の中で長期育休取得者第1号)
Oさん(40代) 映画会社勤務
子どもの年齢/7歳・5歳
育休歴/1人目・2人目ともに3日の育休取得
Nさん(30代) アナウンサー
子どもの年齢/9ヶ月
育休歴/里帰り出産だったため育休は取っていない
Hさん(30代) 広告会社勤務
独身 結婚後の共働きに賛成派
結婚して子どもが生まれた時にどうしたらいいか
先輩パパに聞きたいことが盛りだくさん

「男性の育児休業について」パート1は、
~社会・会社と、男性の育児休業~

  • ①男性育休の決断!その時、会社は?周りの反応は?
  • ②男性の育児参加。環境的には「やりやすい」?
  • ③男性育休のメリット・デメリット

の3本立てでお届けします!

育休の決断!その時、会社は?周りは?

Nさん
「さっそくですがTさん、8ヶ月の育休って周りにもなかなかいないと思いますが、決断した理由とその時の気持ちって?」
Tさん
「中途半端に2・3ヶ月取るよりは長く休んじゃった方がかえって会社に迷惑かからないかなって思ったんですよね。
2・3ヶ月だと、欠員の人事的な補充もできない。
でも早めに長く取ると言っておけば、後任が補充されやすいかなと。取るなら長く、取らないなら取らないという考え方でした」
Nさん
「育休の制度はご存知だったんですか?」
Tさん
「制度は知ってたし、これから増やしていくことも知ってました。
一方でそんなに長くとってる人もいないって知ってて。
第1号を狙ったわけじゃないけど、取るべきなんだろうなという感じでしたね」
Hさん
「周りの反応とか、勇気いりますよね?」
Tさん
「周りの8割9割は「いいね!」「楽しそう!」という感じ。
でも2人だけ「絶対やめた方がいい」という人がいて
…その時の上司と、前の上司。
「会社の中で生きていけないぞ」と心配してくれて真剣に悩みましたけど、最後は勢いでまぁいいやって」

男性の育児参加。環境的には「やりやすい」?

Hさん
「よく「ワークライフバランス」って言うじゃないですか?
最初一ヶ月まとまった休みをもらって、その後は男性も6時に帰るとか、そういった交渉や話し合いは出来る環境ですか?」
Oさん
「うち(映画会社勤務)の場合は、自分でなんとかしてやりくりする以外ないかな。
会社には「一時間早く出社したら一時間早く帰れる」よう若干フレキシブルになる制度を提案して認めてもらえました」
Nさん
「同じ会社の若手がやろうとしても、ちょっと難しそうですね」
Tさん
「でも毎日早く帰ろうと思うとしんどいけど、週の半分帰ろうと思えば意外にできません?」
Oさん
「そうですね。「ノー残業デイ」を設けた時も最初は反感があったけど、結局「いいじゃん!」となった。
意識を植え付ければいいと思うんですよね」
Nさん
「入社してからの数十年で、男性の育児に対する周囲の理解は変わってますか?」
Oさん
「僕は入社して14年経ちますけど、生まれて1週間くらい育休を取るっていうのが当たり前になってきた。
共働きの人が増えて、環境が整ってきたんじゃないかなと思いますね」
Nさん
「あと「イクメン」って言うじゃないですか?
言葉が出てきた時は「イクメンすごい!」ってニュアンスでしたけど、今は当たり前になっているっていう…」
Hさん
「うちの会社は40・50代の人が多いんですけど、イクメンじゃない人がほとんど。
平日は飲み会、土日はゴルフ、気付いたら子どもが20歳って人とかいて、いち人間としてその人生は寂しいんじゃないかなって思うんですよ。
仕事と私生活って、あまり切り離せないって思うんです。
私生活で得た刺激みたいなものがアイデアになったりすることを考えると、そういう意味でも「育児に参加したい」って思う。
どの会社も「家庭のために休んで下さい」というよりは、「自分の人生設計のために育休制度があるんだよ」っていうくらい器の大きい在り方になるのが理想だと思うんですよね」
Tさん
「そこは昔から比べると、相当大きく変わってるでしょうね。
人の家庭というか、プライベートにそこまで浸食しなくなってきた感じがする」

男性育休のメリット・デメリット

Nさん
「育休中も大変だったと思いますけど、冷静にその時のことを振り返ってメリット・デメリットを挙げるなら?」
Tさん
「育休を取っていなかったら、今のようにそこまで子育てに参加できないと思う。
今は妻が仕事でいない時でも「別にいないから」というひと言で済むけど、育休期間がなかったら「ご飯はこーして風呂はあーして」と説明が必要。
お互い同じように家事のことが出来るのは、あの期間に集中してやってたっていうのが相当大きいですね。
だってそれまで、年に一回くらいしか料理したことなかったですから」
Nさん
「育休を取って決定的な不利益とかありましたか?」
Tさん
「いや~、あんまり感じたことはないですね。
ただ会社全体で意識が変わってきているとしても「子育てやってます」色が出ちゃうと「アイツ大丈夫?」みたいな感じはまだまだありますよね。
実は復職した後いくつかのメディアから「育休取得者」として取材を受けたんですけど、途中でそういうのも一切やめたんですよ。
イクメンキャラは3ヶ月で打ち切り。そのキャラがずっと出過ぎちゃうと、「コイツ仕事よりも…」という雰囲気になっちゃうかもしれないな、と」
Hさん
「上司から電話がかかってきて「今どこ?」と聞かれて「イクメンしてます!」とは、ちょっと言えない。
ビジネス的に「お前大丈夫か?」みたいな視点で見られる後ろめたさはあって。
まだ男が育児することが「ちょっとカッコ悪い」とか、働く視点で言うと「逃げてない?」みたいなことを言われないようにしなきゃいけないのかもしれないですね」
Tさん
「そうですね。僕ら普通の日本企業だと昇進の時に、(育児重視人間だと思われると)「アイツに任せられるかな?」と不安を持たれること絶対あると思うんですよね。
割り切っちゃって「もう別に昇進もいい」って堂々と育児しながら働くのか、ややこっそり「隠れイクメン」で働くのかで違うと思う。
僕なんかは毎回、接待のふりして18時に会社を出て実は子どもを保育園に迎えに行ったりとかはしていました」
Hさん
「でも会社とはいえ、嘘って後ろめたいですよね?」
Nさん
「それって、女性と男性の一番の差かもしれませんね。
「子どもが熱出た」って言ったら、女性の場合は「早く帰ってあげて!」って思いません?」
Tさん
「僕もそれをすごい感じていて。接待の二次会・三次会が入っても、ママなら「子どもがいるから一次会で帰ってあげな」ってなりますよね。
僕らの場合は絶対ならない、そういう意味では大変かもしれないですよね」
育児と仕事。
ママとはまた違う、パパゆえのツラさがあるんですね。
次回パート2では、
~妻と育児と。家庭内での役割~についてお届けします。
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