STORY

あなたが変われば、
世界は変わる
2024.07.13 OA

「あなたが変われば、世界は変わる」――。ファッション、メーク、メンタル……ありとあらゆることをサポートし、どんな依頼もかなえるトータルコーディネーター・本宮密子(福原遥)。目的のためなら手段をいとわず、依頼者を必ず成功に導く密子は、果たして天使か、悪魔か。謎多き密子が新たにコーディネートする相手は、ある日突然、平凡なシングルマザーから大企業の大株主になってしまった今井夏(松雪泰子)……!
ダマされやすくてお人よし。夫にも逃げられ、女手一つで長男・智(清水尋也)と長女・彩(吉柳咲良)を育ててきた夏。介護士として働く夏は、半年前、火事の現場で倒れていた『九条開発』の社長・九条謙一(神保悟志)を助けたことから謙一に気に入られ、退院後のケアも担当していたが、付きっきりの介護もむなしく謙一は急逝してしまう。すると信じられないことに、謙一の遺言により、謙一が保有する『九条開発』の株式すべてを夏が譲り受けることになってしまった……!

しかし、『九条開発』は代々同族経営が続く大企業。本当に自分たちが株をもらっていいものか、降って湧いた話に今井家一同は困惑するが……そんな今井家に密子がやって来る!「九条謙一さまから依頼されて参りました。トータルコーディネーターの本宮密子と申します」。生前の謙一から、万が一のときには今井家を支えるよう頼まれていたという密子は、家に上がるなり、「インテリアの交通渋滞」と毒づいて部屋を片付け始める。突然現れた得体の知れない密子に、今井家はさらに戸惑い……。
そんな中、『九条開発』の新社長の座を争う長男・遥人(上杉柊平)と長女・玲香(志田彩良)が、株を奪い返すため、夏に取引を持ち掛けてくる。うまく言いくるめられてしまう夏は、株を返そうとするが……。

九条家の魔の手から夏を守り、さらには夏を『九条開発』の新社長に押し上げようとする密子!謎多きトータルコーディネーターと不運続きのシングルマザーが仕掛ける大変身劇の行方は……!?

以下、ネタバレを含みます

生前の謙一を付きっきりで介護していた夏は、謙一からいろんな話を聞かされていた。謙一が九条家の婿養子であることや、同族経営が続く『九条開発』の将来に危機感を抱いていたこと。さらに、創業100周年の記念プロジェクトとして、医療と介護が広大なネットワークでつながる福祉の町をつくろうとしていたこと……。「孤独で寂しい思いをしている人たちに、生きる勇気を与えたい」と夢を語る謙一に、夏も「私もそういう人たちのために何かできないかって、そう思って介護士になったんです」と、つい自分の話をしてしまったことがあった。そんな夏に、謙一は優しく微笑み、「私たちは同じ夢を持っているようだ。これは、私だけじゃない、私たちのプロジェクトですよ」と言ってくれた。それなのに……。「私のケアが足りなかったせいで……」と自分を責める夏は、九条家に株を返そうとする。……が、密子は「夏さまのせいじゃありませんよ」。前日まで元気だった謙一がなぜ突然亡くなったのか、九条家も疑問を持っていいはずなのに、“火事の後遺症”の一言で片付け、詳しく調べようとする者は一人もいない。まるで詳しく調べられると都合が悪いかのように……。もしかしたら、謙一は九条家の誰かによって殺されたのかも……。密子の恐ろしい臆測に驚く夏は「信じられません、そんなこと……」と耳をふさごうとするが、密子は「そうやって、また考えることを放棄するつもりですか?大切なのは、あなたが何を感じ、どう思い、どうしたいかです。あなたが変われば、世界は変わります」――。

密子に言われ、九条家に不信感を抱き始める夏……。そんな中、夏は夜道で何者かに背後から突き飛ばされ、車道に倒れ込んでしまい……!間一髪、車にひかれる寸前で密子に救われるが、辺りを見回すと、『九条開発』の秘書・千秋(桜井日奈子)の逃げる姿が……。夏に株を手放すよう脅しをかけてきたのだ!このままでは智や彩にも危険が及ぶかもしれない……。さらに、謙一の夢だったプロジェクトが取りやめになったと知った夏はがくぜんとする。悪しき同族経営を断ち切るために、夢だったプロジェクトを実現するために、謙一は思いを託してくれたはずなのに……。「でも、私にできることなんて何も……」と下を向く夏を、密子は自分のアトリエに招き……「お任せください」。ついにコーディネートが始まった!メーク、髪形、ファッション……密子の手によってあっという間に洗練されていく夏!さらに密子は、夏の左手の中指と薬指の先を親指の先と合わせて円を作ると、「つらいときや不安になったときに、このアンカリングを利用して、幸せだった時を思い出してください、それがあなたを支えてくれるはずです」――。顎を上げ、背筋を伸ばし、凛と立つ夏……。その姿は、今までとは打って変わって、自信と威厳に満ちあふれ……!

密子と夏は、『九条開発』の新社長を決める経営会議に乗り込む!夏は開口一番、「遺言書のことで、お返事をしに参りました。私は、故人の遺志に従い、九条謙一さんの持ち株すべてをいただきます」。さらに、「私、今井夏は、株主として九条開発の次期社長に立候補いたします」――そして社長になった暁には、謙一のプロジェクトを復活させ、実現させると宣言……!
しかし、社長になるためには、役員の過半数の賛同を得なければならない。現在、その条件を満たしている遥人が新社長ということになるが……。密子はお構いなしに、「この中に今井夏さんを支持される方はいらっしゃいますか?」と呼びかける。そんな者がいるはずない……と誰もが思ったその時、遥人を推していたはずの専務・荻野目(石井正則)がゆっくりと手を挙げた……。
全ては密子の思惑通り。荻野目は、かねてより謙一の考え方を支持していたが、九条家に逆らうことができずにいた。その上、荻野目の妻は育児放棄状態で、荻野目自身も愛人宅に通い詰め、家庭は崩壊寸前。そんなことが会長・五十鈴(小柳ルミ子)の耳に入ったら、間違いなくクビになる。密子はそれをネタに荻野目を脅し、協力を求めたのだ。荻野目の裏切りにより、遥人の支持者は過半数を割り、社長選びは振り出しになった。「あらあら、大変なことになりましたね」と微笑する密子――。

その夜、千秋は一人オフィスに残り、パソコンで密子のことを調べ、何者かに電話で報告をする。「本宮密子ですが、謙一社長との接点が見つかりません。本当に面識があったのかどうか……。それから、あのとき……」。実は、夜道で夏を突き飛ばしたのは千秋ではなかった。あのとき、夏を監視していた千秋は、夏が何者かに突き飛ばされ、その直後に密子が現れたのを目撃していたのだ。「もしかしたら、あのとき突き飛ばしたのは……」。電話の相手に言いかけたその時、千秋の背後に密子が現れた!密子は千秋の口をふさぐと、首元に注射針を打つ……!昏倒する千秋……!冷たく見下ろす密子で――。