STORY

社長候補に殺人容疑が…!?2024.09.07 OA

夏(松雪泰子)に殺人容疑が!?前社長・謙一(神保悟志)の死は他殺だった……死の直前まで謙一と一緒にいた夏が警察に呼ばれたことで、役員たちは“夏が前社長を殺したのではないか?”と大騒ぎ。密子(福原遥)たち夏派の面々も事実無根を訴えるが、美樹(渡辺真起子)をはじめとする遥人派は「殺人の疑いがある人間を社長にするわけにはいかない」と事態を問題視。すると、このままでは社員の士気に関わると判断した五十鈴(小柳ルミ子)が「今日、すべてを決めましょう」と、急きょ、夕方の経営会議を新社長決定の場にすると宣言……!夕方までに夏の無実を証明できなければ、新社長は遥人(上杉柊平)で決まってしまう……。追い詰められた密子は「今日中に、真犯人を暴き出します」――。

急いで真犯人捜しに取り掛かる密子は、五十鈴の秘書クミ(玉田志織)から重要な証言を得る。あの日、クミは、夏と入れ替わりで謙一の部屋に入って行った“ある人物”の姿を目撃していた……。それを夕方の会議で証言してくれるというクミ。密子は「これで夏さんの無実は証明できるはずです」と安堵するが、会議直前、クミは行方をくらましてしまう――。

前社長を殺したのは一体誰!?新社長の行方は!?華麗なる一族の闇が暴かれ、九条開発の未来が大きく動く、運命の第7話!!

以下、ネタバレを含みます

謙一が亡くなった日、五十鈴の秘書クミは、夏と入れ替わりで謙一の部屋に入っていく遥人の姿を目撃していた。もしその時点で謙一が生きていたとしたら、夏の無実は証明される……はずが、証言者のクミが会議直前に姿を消した。九条家が隔離したに違いない……密子は坂東(黒羽麻璃央)を問い詰めるが、「なんのことだか」とシラを切られてしまう。「坂東さん、あなたとは一度、お話がしたいと思っていました」――九条家の側近である坂東なら、姉・鞠子(泉里香)の死の真相を知っているかもしれない。しかし坂東は、鞠子のことを「優秀な部下だった」と振り返りながらも、その死については口を閉ざし、「知らない方が、幸せなことだってあると思いますよ」と意味深な言葉を残す……。

会議の時間が刻々と迫る中、夏は、謙一がいつもメモ代わりにボイスレコーダーを使用していたことを思い出す。そのボイスレコーダーに真犯人の手掛かりが残されているかもしれない……。遺品の中からボイスレコーダーを探し出そうとする密子は、それを阻止しようとする遥人に、「そこまでして社長になりたいのですか。人を殺してまで」。すると遥人は「違う!」と強く否定し、ずっと抱えてきた思いを吐き出す。生まれた瞬間から、遥人は九条開発の社長になることを宿命づけられてきた。それは自分一人の問題ではない。九条に関わる全てが、遥人が社長になることありきで動いてきたのだ。「なりたいとか、なりたくないの次元じゃない。ならなきゃいけないんだよ私は!」――それなのに、あの夜、遥人はベッドの上の謙一から「おまえだけは絶対に、社長にするつもりはない」と言われてしまった。だから謙一を殺した……わけではなかった。そもそも遥人は謙一を殺してなどいない。遥人はむしろ謙一に憧れていたのだ。社長という重圧の中でも夢を追える父のように、自分もなりたいと……。でも、「親父は俺を憎んでたんだ……」と肩を落とす遥人。ボイスレコーダーの発見を恐れたのは、謙一の言葉が社長争いに影響を及ぼすと思ったからだという。

結局ボイスレコーダーは見つからず、無実を証明できない夏は立候補を取り下げられそうになるものの、荻野目(石井正則)の勇気ある嘆願により、翌朝まで猶予をもらえることになった。もう一度記憶をたどる夏は、謙一が亡くなった後、謙一の洋服を持ち帰ったことを思い出す。ポケットにボイスレコーダーが入っているかもしれないその洋服は、夏が勤めていた介護センターのロッカーにしまったまま……。密子は「では、明日の朝一番に確認に行きましょう」とみんなに声を掛ける。するとその夜、何者かが介護センターに侵入し、夏のロッカーからボイスレコーダーを盗みだそうとして……それを待ち受けていた密子が、「こんなところで何をしてるんですか、坂東さん」。侵入者は、坂東だった。坂東に会話を盗聴されていることに気付いた密子がワナを仕掛けたのだ。追い詰められた坂東は、「あいつが悪いんだよ、あの社長が!俺を切り捨てようとしやがって……」と謙一の殺害を自白。美樹との不倫関係を気付かれただけでなく、九条開発の情報をライバル会社に流していたことを謙一から追及された坂東は、あの夜、遥人と入れ替わりで謙一の部屋に入り、謙一の顔に枕を押し付けて窒息死させたのだ……。全てを自白し、警察に連行されていく坂東に、密子が問う。「教えて下さい、誰が姉を殺したんですか?あなたが火事を起こしたんですか!」。しかし坂東は「俺じゃない」としか答えず……。同じ頃、ホテルに軟禁されていたクミも無事に解放された。

坂東が逮捕されたことで九条開発の不正やスキャンダルが世間に知れ渡るのも時間の問題となり、遥人は茫然自失。「九条開発はおしまいだ。俺は、なんのために生きてきたんだ……」。そんな遥人に、密子が謙一のボイスレコーダーを差し出す。レコーダーの中には坂東の犯行の様子は録音されていなかったが、遥人への思いが吹き込まれていた。『私は、遥人を社長にしたくはない。……だけど、あいつが憎いからじゃない』――生まれた時から九条家の跡を継ぐことを宿命づけられ、いろんなことを我慢してきた遥人に、もっと自由に、生きたいように生きてほしい。だから社長になんかならなくていい――。謙一の本心を知った遥人は涙を流し、密子に頼み込む、「助けてくれないか」。このままだと何千人という社員が職を失う。「俺はどうなっても構わない、だからせめて社員たちだけは……」。遥人の懇願を聞いた密子は、会社を愛していた姉・鞠子のためにも決意する――「お任せください」。

密子の案で、九条開発はマスコミの先手を打って記者会見を開き、自ら不正を公表。会見に臨んだ五十鈴は経営陣の一新を明言すると、「新たな社長として、今井夏を任命することを決定いたしました」――。ついに新社長に就任した夏は、殺された前社長の意志を継いで旧プロジェクトを復活、実現させると宣言。九条開発を立て直そうとする夏への期待感から、世間の九条へのバッシングも最小限で済み、全ては密子の思惑通り。でも、これで終わりではない……「姉がどうして亡くなったのか、真相を突き止めないと」と決意を新たにする密子。そんな密子に、夏は秘密にしていることがあった。半年前の火事の時、煙の中で倒れている謙一を発見した夏は、もう1人、自分に向かって懸命に助けを求める人物――鞠子を見捨て、謙一だけを救い出したのだ――。