半年前の火災事故は、夏(松雪泰子)の自作自演だった!?密子(福原遥)は夏を問い詰めて真実を聞き出そうとするが、「出ていきなさい、本宮さん」――。社長の権力を手にした夏からクビを宣告され、社内への立ち入りを禁じられてしまう。自分を社長にしてくれたパートナーを簡単に切り捨てる夏の冷徹さに、遥人(上杉柊平)や智(清水尋也)も戸惑いを隠せない……。
オフィスを追い出されてしまった密子は遥人のいる地下倉庫に身を潜めるが、いくら遥人でもクビになった者をかくまっていることが夏に知れたらタダでは済まない。「出ていってくれ」と追い払おうとする遥人に、密子は火災現場の監視カメラ映像を見せ、「夏さんだったんです、姉を殺したのは」――。映像には、燃え盛る炎の中、『助けて!』と必死に叫ぶ姉・鞠子(泉里香)に背を向け、前社長・謙一(神保悟志)だけを救い出す夏の姿がハッキリと映っていた。夏は謙一に恩を売るために鞠子を見捨てた……それだけでなく、火事が起きたのも夏の仕業かもしれないのだ。映像を確認した遥人は「事情は分かった」と、密子に力を貸すことに決める。
とはいえ、夏が社長でいる限り、社内で火事の真相を調べることは不可能。……ならば打つ手は一つ。密子は「今井夏さんを、社長の座から引きずり下ろします」――。密子はある手段を使って、夏のスキャンダルをでっち上げようとするが……。
最終回直前!もう元には戻れない!?敵対する密子と夏!2人の戦いの行方は……!?
夏のスキャンダルをでっち上げようして失敗に終わった密子と遥人は、次の一手として、秘書室長の千秋(桜井日奈子)を味方につける。実は千秋も極秘で裏帳簿の件を調べていたようで、鞠子の裏帳簿メモにある『S費』の意味が分からなくて困っていたという。遥人は「裏金を管理していたのはおそらくウチの母親だ」と、美樹(渡辺真起子)から情報を聞き出そうとする。
そんな中、密子は智から1枚の写真を渡される。以前かき氷屋で撮った密子と夏のツーショット写真だ。今までずっと仲良くやってきたのに……「どうしてこんなことになったの?」と2人の仲を心配する智は、密子の力になりたくて、その思いを伝える。「俺が密子さんを助けたいのは、好きだからだよ」。しかし鈍感な密子はそれが愛の告白だとは気付かずに、「やっぱり智さんは優しい人ですね。だから、これ以上は……」と、智に迷惑をかけまいとして協力の申し出を断ると、智が置いていった写真を握りつぶして捨ててしまう。
密子は一度盗まれた鞠子の日記を整理するが、ページが1枚足りない……。大事な1ページ目、鞠子が『あなたが変われば、世界は変わる』と書いたページだ。実はそのページを持っているのは、夏で――。
一方の遥人は、療養中の美樹を訪ねて裏帳簿のことを聞いてみるが、美樹は会社を奪われたショックなのか話ができる状態ではなかった。収穫のないまま遥人が会社に戻ると、密子がゴミ箱をあさっていて……。慌てて取り繕う密子に、「母からは何も聞けなかった」と報告する遥人は、「夏社長には誰も太刀打ちできない……」と肩を落とすが、密子は「いや、1人だけいます」――会長の五十鈴(小柳ルミ子)だ。
翌日、密子と遥人は五十鈴に火災現場の映像を見せ、放火をした疑いのある夏を解任してほしいと直談判する。しかし五十鈴は「ごめんなさいね、密子さん」。すでに夏が先回りして五十鈴を味方につけていたのだ。その場に現れた夏は、「本宮さん、警告したはずです。もう二度と私たちに関わらないでください」と冷たく言い放つ。……打つ手がなくなった密子は感情的になり、テーブルの上のペーパーナイフをつかんで夏に突き付ける。「本当にあなたが姉を殺したんですか?……答えて!」。しかし夏は何も答えず、「さようなら、本宮さん」と言い残して去っていく……。それでも夏を追い掛けようとする密子を、「もうやめろ」と引き止める遥人。「離してください。私の目的は姉の死の真相を知ることです。ずっと姉のために生きてきたんです!だから私は――」。取り乱す密子の体を、遥人が抱き締める――「きみがショックを受けているのは、お姉さんのことだけじゃない」――姉の死の真相を追っているうちに、いつの間にか密子にとって夏が大切な存在になっていた、それなのに――「その思いが拒絶されたから、きみは傷ついてるんだ。きみは、夏さんのことが好きなんだよ」。遥人はポケットからくしゃくしゃになった1枚の写真を出す。それは密子が捨てたツーショット写真だ。「夕べ、これを探してたんだろう?……きみは変わったんだ。きみが変わったから、世界は変わったんだ」――遥人の言葉が、密子の胸に響く――。
夏に逆らった遥人が謹慎処分となり、自分のせいだと落ち込む密子に、智が打ち明ける。「俺、密子さんにちゃんと言っておかなきゃいけないことがあるんだ」。前に密子を助けたのは自分ではないこと、鞠子を資材から守ったのも自分ではないことを明かす智。「誰なんですか?」と尋ねる密子に、智は「もう行くね。代わりに呼んでおいたから」。智と入れ替わりで現れたのは、遥人だ。まさか、遥人が……?動揺する密子は聞いてみる。「かき氷でも食べませんか?」。すると遥人は「じゃあ、レモン味で」――。
「きみのお姉さんとはいろんなことを話した」。密子と2人でかき氷を食べながら、鞠子との思い出を振り返る遥人。鞠子と一緒にかき氷を食べたことや、プロジェクトのことでよくケンカをしたこと……。懐かしそうに話す遥人に、密子は「私、遥人さんのことを誤解していたかもしれません。見方を変えたら、あなたという人が、私の中で変わりました」。すると遥人は「じゃあ、夏さんは?」。夏を憎しみの目で見るのではなく、信じていた時と同じ目で見たら、どう見えるだろうか……。密子と遥人は、もう一度、火災現場の映像を見直してみる。すると、今まで見えなかった真実が見えてきて――!
火事の時、確かに鞠子は夏に向かって「助けて」と叫んだが、それは自分のことではなく、謙一のことだった。あの時、現場に駆け付けた夏が、倒れている謙一と鞠子のどちらを助けるべきか迷っていると、意識のあった鞠子が「私は動けますから、先にあの方を助けてください」と言ったのだ。鞠子から「(謙一を)助けて!」と懇願された夏は、謙一を救い出した後、鞠子を助けに戻ろうとしたが、直後に爆発が起こってしまった……。さらに、社長に就任した夏の元に脅迫状が届いていたことも発覚。脅迫状には、『火事に近づいた者は殺す』という文書と共に、密子の写真が同封されていた。もし火事のことを調べれば、密子は殺される――夏が密子を突き放していたのは、密子を守るためだったのだ……。
すべてを知った密子の胸が、熱い思いで締め付けられる。そんな中、夏が突然姿を消した!密子たちが慌てて探し回る……と、密子のスマホに夏から着信。しかし、電話の向こうの声は夏でなく、美樹だった。「あなたたちは私のすべてを奪った。その罰として、この女、殺すわ」――そう吐き捨てる美樹の傍らで、夏が気を失っていて――。絶体絶命の夏、そして密子の運命は!?次回、衝撃の最終回!!