07/01/29 OA
大ドロボウになった真面目な男
1983年、アメリカ・アイオワ州にあるジョンディアークレジットユニオン銀行。
午前8時30分。支店長が金庫を開けると、
そこにあるはずの現金1億3千万円が消えていた。
しかも人が入った形跡はまったくなかったのだ。
すぐさま金庫の監視カメラをチェックすると、なんとそこには、
カメラに向かって投げキッスをして、現金を盗み出す男の姿が。
その犯人は、この銀行に15年間勤務するスティーブン・ハードレーという
模範的な銀行員だったのである。
彼は一体、なぜこんな犯罪を犯したのか?
それは、数ヶ月前のこと。
人事異動があり、ハードレーも大きな昇格のチャンスであった。
しかし、支店長が選んだのは別の若い行員。
大きなショックを受けたハードレーは支店長と銀行への復讐として、
1億3千万円を盗む事を決意したのであった。
誰もハードレーを疑うことはなかったため、
彼は仕事の流れの中で、まんまと金庫の金を盗み出し逃亡。
銀行の知識を生かし、盗んだ1億3千万円を違う名義で
様々な銀行の口座に分散させながら、
5年間、捜査の網の目をくぐりぬけたのである。
だが、テキサス州の町で結婚し、新しい人生を歩み始めたハードレーは、
購入した家やスポーツカーから足がつき、遂に逮捕。
この時、彼は盗んだ金の中の1千万円しか使っていなかった。
実は、元銀行員の彼は、投資や利子を上手に使っていたため、
元金はほとんど手付かずで残っていたのだ。
そんなスティーブン・ハードレーには、懲役13年の刑が下された。