ある夜、インド北東部の小さな村を、巨大なアジアゾウの群れが襲撃!
多くの死者を出し、村中が大パニックとなった。
一体、野生のゾウに何が起こったのか!?
専門家がインドに赴き、その実態を緊急リポートする。
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インド北東部 西ベンガル州ジャルパイグリでは
近年、野生のアジアゾウによる被害が続出、
100名以上の死者を出し、現在、深刻な社会問題となっているのだ。
この「恐怖の殺人ゾウ」の謎を解明するため、
イギリス人のゾウ研究家 マーク・シャンドが現地に赴いた。
ゾウは本来、温厚な性格で、知能も高く、
野生では高度な社会性を築いて生活している動物である。
しかもインドには、「ガネーシャ」と呼ばれる、
ゾウの頭をもつ神がおり、インドの人々にとってゾウは聖なる動物なのだ。
現在、インドでは保護動物に指定されているため、銃で撃つことが禁止されている。
インド南部の町 グルバユーアにあるスリ・クリシュナ寺院。
ここでは敷地内で60頭のゾウが飼育され、
ゾウ使いがつきっきりで身の回りの世話をし、大切に育てている。
だが、どんなに人間に慣れているゾウでも1年に1度、
恐ろしく凶暴になる時期があるというのだ。
それが、成熟したオスのゾウにだけ見られる「マスト」と呼ばれる生理現象。
マストは、オスの発情期と関係があるといわれており、
この期間は、どんなに普段大人しいゾウでも、気性が荒く攻撃的になるという。
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専門家マークの見解
ゾウが人間を襲う原因として、「マスト」が関係しているとも考えられるが、
襲撃にはメスのゾウもいるため、これだけとは考えにくい。
実は調査の結果 近年、畑を荒らすゾウを追い払うために、
若者たちが隠れてゾウを銃で撃っていることが判明した。
もしかしたら、住む場所を奪われた野生のゾウたちが、
その悲しみや憤りを訴えるため、人間を襲っているのではないか。
現在も、はっきりとした原因は、未だ、解明されておらず、
世界中の学者が、その原因究明につとめていると言う。
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