【事件発生】
アメリカ・フロリダ州にある大手現金輸送会社
『ルーミーズファーゴ』で起こった22億円現金強奪事件。
現場にかけつけたFBIは、外から侵入した形跡がないことと、
1台の現金輸送車がなくなっていることから、
内部の犯行とみて捜査を開始。
従業員の中で、消息不明になっていた、
ダン・スミス、テリーブラウン、フィリップ・ジョンソンの3名を
事件の重要参考人として捜索した。
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すると数日後、重要参考人の1人、ダン・スミスが
人里離れた山林で、両手に手錠をされた姿で見つかった。
彼は“山小屋に監禁され、やっと逃げてきた”と言うのだ。
そこで、その山小屋を調べてみると、クローゼットの中に、
もう一人の重要参考人、テリー・ブラウンが。
この2人の証言から、現金強奪は最後の重要参考人、
フィリップ・ジョンソンの単独犯行だったことがわかったのである。
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【動機】
ジョンソンは10年間、『ルーミーズファーゴ社』に勤めていたが、
なかなか出世できないことに腹を立て、
金庫の金を奪うことで復讐をしようと考えたのだった。
なんと彼は、4年間をかけて犯行計画を入念にねりあげ、
1997年3月29日、ついに実行したのである。
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【犯行】
午後7時、ジョンソンは拳銃を手に金庫を襲撃。
中にいたスミスとブラウンに手錠をかけ、人質とすると、
金庫の現金を何度も何度も小まめに運び出した。
こうして彼は、2時間もかけて総額1900万ドル、
日本円にして約22億円もの現金をたった1人で奪い去ったのだ。
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その後、ジョンソンはメキシコに逃亡し、悠々と生活。
だが5か月後、持ち金が底をつき、
隠した現金を取りにアメリカに戻ったところを
税関職員に取り押さえられ、ついに逮捕。
こうしてアメリカ犯罪史上、単独犯での最大級の現金強奪犯、
フィリップ・ジョンソンは、
誘拐と強盗の罪で懲役25年の実刑判決を受けたのである。
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