世界まる見え!テレビ特捜部
07/06/18 OA
巨大ハリケーン 知られざる奇跡の生還
今から38年前の1969年8月16日。
「カミール」と名づけられた、巨大ハリケーンがアメリカ本土に接近。
ミシシッピー州沿岸部の住民に避難するよう、警告が出された。


そんな中、海岸近くのアパートに住むベンは、
近所の住人ら4人とアパートに残ることを決めていた。
なぜなら、以前のハリケーンでも、このアパートは壊れなかったため、
今回も大丈夫だと思ったのだ。


一方、ジョージ・ワトソン校長は、高校の体育館に避難民を受け入れていた。
実は、郊外へ逃げる道は大渋滞し、町から出ることが出来ない人々が
まだたくさん残っていたのだ。


そしてもう一人、呼吸器の障害で、
呼吸を補助する装置から出られないため、逃げられない女性・アビーがいた。
一体、彼らにどんな運命が待ち受けているのか?


夜7時。ハリケーン「カミール」の前線が、ミシシッピーに到達。
海抜3メートルまで浸水、ベンたちアパートの1階部分は水没してしまった。
また、250人の避難民がいた、高校の体育館にも崩壊の危機が!
ジョージ校長は、暴風雨吹き荒れる中、なんとか隣の校舎へと移動させたのだ。


夜9時半。大規模な停電が発生。
アビーの呼吸補助装置も、バッテリー運転に切り替わった。
だが、バッテリーが持つのは数時間。どこまでもつか分からない。


そして、夜11時。ついに、カミールが上陸。
風速は85メートル、水位も7メートル以上に達していた。
すると!ベンたちのアパートの屋根が吹き飛び、水が流れ込んできた。
なんとか屋根から外に出たものの、すでに周囲には濁流の渦が。

すると、アパートは見る間に崩壊!!
ベンは、仲間とバラバラになり、流されてしまったのだ。


一方、呼吸器に障害を持っていた、アビーにも危険が。
装置のバッテリーが残り少なくなってしまったのだ。
そこで職員は、一か八か車のバッテリーを持ってきてみることに。


さらに、ジョージ校長と250人の避難民のいた校舎も浸水がひどくなってきた。
彼らは、講堂に集まり、流れ込む水を衣服などで防ぎながら、
必死にドアを押さえ、恐怖の夜を過ごしたのだ・・・


そして、翌朝。ハリケーンは去った。

校舎に避難したジョージ校長たちは、全員無事。
呼吸器障害のアビーも、車のバッテリーでなんとか生き延びた。
また、濁流に流されたベンも、大木につかまることができたため、
どうにか一命を取り留めたが、
彼と一緒にいた4人のうち、3人は命を落としてしまったのである。


ハリケーン「カミール」は、その後もアメリカを縦断し、
現在の金額でおよそ7000億円にものぼる被害を出したのである。


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