07/07/09 OA
女子大生アリーンの珍獣サイガ調査FILE
大きな鼻を持つ珍獣、「サイガ」の生息地の一つは、
ロシア連邦のカルムイキア共和国にある、 チョールヌィエ・ゼムリ保護区。
そこは、最低気温がマイナス20度を記録する、極寒の地。
そこで調査を行っているのが、
ドイツ出身の女子大生、アリーン・クールである。
サイガの一番の特徴は「カモシカような大きな鼻」。
これは、極寒の平原で生きていくために必要なもの。
冷たく乾燥した空気をこの大きな鼻の中で温め、
加湿してから肺に送る事で肺の負担を軽くしているのだ。
更に、もう一つの特徴が「オスにしか生えない美しい角」。
しかし、サイガの角は、解熱作用のある漢方薬として人気があり、
高く売れることから、角目当ての密猟が後を経たず、
オスの数が極端に減少してしまったのだ。
この事がサイガの繁殖活動に影響を及ぼし、生息数が激減したと考えられている。
更に、調査を続けたアリーンは、サイガの珍しい行動を目撃!
草に自分の目のあたりをこすり付けるオス。
実は、サイガのオスの目の下にはフェロモン腺があり、
強いにおいのフェロモンを植物に擦りつけることで、
自分が交尾可能だということをメスに教えているのだ。
更に、おしっこを自分の首の毛にかけているオスの姿が。
このおしっこも、メスへアピールするフェロモンの香水と考えられてるという。
続いて、アリーンは、サイガが生息するもう一つの国、
中央アジアのカザフスタンにやってきた。
調査から、10日後…
彼女は、生まれてまもない赤ちゃんを発見。
赤ちゃんはすでに大きな鼻を持っていて、生後3日間位まで、
敵から身を隠す為、草むらに伏せた状態で、身動きをせずにじっとしている。
そして、夕方頃、母親が授乳の為に戻ってくるのだ。
だが本来、この調査では数百頭の赤ちゃんを測定する計画だったが、
残念ながら、20頭しか発見することが出来なかった。
これは、密猟によってオスが、激減して交尾出来ず、
妊娠するメスが減ったからだと考えられている。
アリーンはこの結果を受け止め、次回は密猟者の実態を調査する計画をたて、
この地を後にしたのだ。