07/07/23 OA
巨大竜巻オクラホマ悪夢の4時間
1999年5月3日。
アメリカ・オクラホマシティの南西125キロの場所で、竜巻が発生した。
だが、この時期、竜巻が起こりやすいこの辺りの住民達は、
まだたいして警戒していなかった。
母ボビーと娘セシリアの親子は、家にいたものの
竜巻のニュースは聞いていなかった。
また、夫ジョンと妻ディクシーの新婚夫婦は、
最近この辺に引っ越してきたばかりで、竜巻自体を見たこともなかった。
さらに、空軍で医師を務めるスコットの一家も、竜巻には慣れっこで
ニュースを深刻には受け止めていなかった。
だが、今回の竜巻は特別だった。
どんどん巨大化し、その大きさは2時間ほどで直径1.5キロに!
オクラホマシティに近づきながら、あらゆるものを破壊していく。
ボビーとセシリアの親子、ジョンとディクシーの夫妻、医師スコットの一家も、
それぞれ竜巻から身を守る準備を始めた。
実は、竜巻のとき、一番安全なのは地下。
だが、地下のない家では、家の中心にいることがいいのだと言う。
そして巨大化した竜巻は、まずジョン・ディクシー夫妻の家を襲い、
さらにボビー・セシリア親子の家も破壊。
その後も、アメリカを縦断するように、4時間もの間、威力を保ち続け、
130キロの距離を移動。
町という町、建物と言う建物をすべて壊してしまったのである。
そんな中、医師スコットの家は竜巻がわずかに逸れ、被害を免れていた。
だが彼は、すぐに被害を受けた地域に急行。
そう、瓦礫の山となった被災地だったが、周囲の町からの応援が駆けつけ、
すぐに救助活動が行われていたのである。
ボビー・セシリア親子は、母ボビーが頭から出血し、ほとんど意識がない状態に。
応援に駆けつけた、救急救命士が応急処置をしてくれたものの、
このままでは長く持たない。
一方、ジョン・ディクシー夫妻の夫ジョンも、
瀕死の状態の妻ディクシーを発見。早急な治療が必要だった。
こうして、すぐに治療が必要な患者がたくさんいたが、
現場には、なぜか救急車がなかなかやってこなかった。
そう実は、竜巻で何もかもが吹き飛んでしまい、目印も標識もなくなったため、
救急車の要請があっても、どこへいったらいいか分からなくなっていたのである。
すると、ボビー・セシリア親子の元に、応援に駆けつけた一般の車が。
彼らはその車で、病院へ。
また、ジョン・ディクシー夫妻の元には、なんとか救急車が到着。
どうにか病院へと搬送することが出来たのだ。
そしてすぐに、それぞれに緊急手術が。果たして彼らの運命は・・・
4日後。
母ボビーは、幸いにも一命を取り留めていた。
さらに、妻ディクシーも、首の骨を折る重傷だったが、
命の危険からは脱したのである。
結果、この災害では1万人以上が家を失い、36人の尊い命が奪われたのだ。
そして、1年半後。
ジョン・ディクシー夫妻に、初めての娘が誕生していた。
立て直した家には、地下シェルターを作ったと言う。
こうしてまた、新しい生活が営まれていくのである。