現在、野生のオランウータンが生息しているのは、
世界でボルネオ島とスマトラ島のわずか2カ所だけ。
そして、その一つである、インドネシアのボルネオ島には、
母親を失った子どものオランウータンや、
ペットとして違法に飼われていたオランウータンたちを集め、
森で暮らす為の方法を身につけさせる施設、
『ワナリセット・オランウータン・リハビリセンター』がある!
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このセンターの中心人物は、熱帯雨林学者のウィリー・スミッツ博士。
現在、施設の広さはおよそ2000ヘクタール。
東京ドームの、実に630個分!
ここには、900頭ものオランウータンが保護されており、開設から16年を経て、 何と400頭以上のオランウータンを森に帰す事に成功している。
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まず、リバビリセンターではオランウータンの身体と精神的なケアを行い、
『心身共に健康』と判断されると、
森へ帰る為の最初の実地訓練『森へのハイキング』に連れて行く。
ここでオランウータンは木登りの練習など、森の生活の『初歩』を学ぶのだ。
そして木や森に慣れてくると、
次に、オランウータンは「塀で囲まれた森」へと移され、
『森での暮らし方』や『エサの取り方』などを身につける。
そう、そこで森での暮らし方を覚えたオランウータンが、
いよいよ野生の森へ戻されるのである。
スミッツ博士は、こうしたオランウータンのリハビリ活動を続ける傍ら、
更に、前代未聞のビッグ・プロジェクトを進めている。
それが、『熱帯雨林の再生』。
近年、森林伐採や山火事により島の熱帯雨林が減少。
リハビリを終えたオランウータンを帰したくても、帰せる場所が無い!
そこでスミッツ博士は、数年前から荒れ地となった広大な土地に、
熱帯雨林の植物を、毎日、週百本単位で植えていると言う。
現在、博士が作り出した『新しい森』に、
オランウータンを帰す事が、徐々に始めてられている。
スミッツ博士を中心とした、オランウータンを自然の森に帰すプロジェクトは、
これからも進められて行く。
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