驚異の自然災害、火山噴火。
なんと近い将来、この地球に多大な影響を及ぼす、
凄まじい巨大噴火が起こると火山学者は指摘する。
これは、近年、世界各地で発生した大規模な噴火から見る
そのメカニズムと、将来起こりうる大噴火をシミュレートした番組である。
<カリブ海・小アンティル諸島モンセラート島>
この島の地下130キロメートルで生産されている、マグマは粘り気が強く、
中に含まれるガスが、急激に膨張して爆発を起こし、火山が噴火する。
1997年6月、モンセラート島のスーフリエールヒルズ火山が、
爆発的噴火を起こした。
そして、すさまじい火砕流が発生。
800度近い、高温の灰と岩が凄まじい速さで山を駆け降りたのだ。
この噴火は、19名の尊い命を奪い、1000戸以上の家屋を破壊。
島の半分以上を、人の住めない壊滅状態にしてしまったのである。
だが、更に凄まじい噴火が、アメリカを襲った!
<アメリカ・ワシントン州セントへレンズ山>
1980年5月18日、朝8時32分。
マグニチュード5・1の地震が、火山の北側で発生。
それにより火山が崩れ、マグマを閉じ込めていた圧力が一気に放たれ、
大爆発が発生、山の北側斜面は崩壊した。
この噴火は、非常に稀な「側方爆発」と呼ばれるもので、
山の高さが、400メートルも低くなってしまうほどの勢いだった。
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この大噴火から20年以上たった現在、
ここでは最新の火山観測装置、スパイダーが使われている。
これは、ヘリコプターに固定し、火口へ運んでいけば、
危険な火口に降り立つ事なく、噴火の予兆を観測できるというもの。
すると、このスパイダーが捕らえた、デジタル画像に、
溶岩ドームが、1日5メートルと言う驚くべき速さで成長している様子が・・・
この溶岩ドームの急成長は、近い将来、
何らかの形で噴火が起こる予兆だと考えられている。
<イタリア カンピ・フレグレイ火山>
近い将来、巨大噴火を起こしうる火山がイタリア・ナポリ近郊にある
カンピ・フレグレイ火山。
カンピ・フレグレイ火山一帯は、何度も噴火を繰り返し、
たくさんの火口があり、そこか放出される蒸気は、
噴火の前の不吉な前兆と考えられているのだ。
では、もし将来、カンピ・フレグレイ火山が
巨大噴火を起こしたら一体どうなるのか?
火山学者たちが予測したシミュレーションがこちら。
【20XX年】
イタリア・ナポリ近郊にあるカンピ・フレグレイ火山の
カルデラ内で大きな揺れが起こり、巨大噴火が発生。
凄まじい噴煙と、巨大な火砕流が発生!
あっと言う間に、カンピ・フレグレイ火山周辺の街は壊滅した。
そして放出された大量の火山灰が、中央ヨーロッパからアジアにまで届く。
すると、火山灰や火山ガスに含まれる二酸化硫黄が
地球規模の環境変化をもたらし、気温が低下。
これによって作物が育たなくなれば、数百万の人々が飢え死にしてしまうのだ。
現在、火山学者たちは、予測される噴火に備えて様々な対策を練っている。
イタリアのバーリでは、火砕流を人工的に発生させる実験を行っており、
その結果、マグマの量とそれにかかる力の大きさが
火砕流の発生に大きく左右することが判明した。
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これらの実験データを実際の火山地形に反映させれば、
火砕流に襲われやすい場所を特定できるため。、
噴火が起こる前に住民を避難させ、多くの人命を救うことが可能になると言う。
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