南アフリカ・ケープ半島。
喜望峰自然保護区には、チャクマヒヒが生息している。
体長は1メートル程で賢く、雑食性だが、
主に草木の根や種、昆虫をたべるという、おとなしいヒヒだ。
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だが近年、このヒヒ達が町に下りて、民家を荒らし始めた。
原因は、人間達が興味本位でエサを与えたこと。
これで、ヒヒは人間を恐れなくなり、山でエサを探すより
人間から奪った方が、効率的である事を覚えてしまったのだ。
次第に、傍若無人になっていくヒヒ。
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そして遂に、ヒヒが民家の窓をまるごとはずして侵入する事件が発生。
これにより、住民の対策が厳重になっていく。
カギを二重にし、窓や入り口には頑丈な鉄格子、
さらには、家の周りに高圧電線を張り巡らせる人まで。
一方、学校では、子供たちにヒヒと遭遇した時の安全な対処法を教え、
観光スポットでは、兵士たちがヒヒと行動を共にしながら監視。
それでも、兵士の目の届かないところでは、エサを与える人間たちも。
そのため、政府はヒヒにエサをやった者に対し、罰金5万円を課している。
だが、人間のエサからヒヒを切り離すには、まだまだ時間がかかりそうである。
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