イギリス南西部、ノースデヴォン郊外の森の中…
ここで、オオカミと暮らしているのは、
世界的に有名なオオカミ研究家のショーン・エリス。
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彼は、絶滅の危機に瀕しているオオカミを救い
共存の道を探るべく、自らオオカミとなったのだ。
そんなショーンがこの生活を始めたきっかけは…
一時は、絶滅の危機に瀕していたオオカミだが、
その保護が世界的に行われるようになり、少しずつ数が増加。
すると、増えたオオカミが家畜を襲うようになってしまったのだ。
しかし、これまで、オオカミ対策といえば、駆除以外に方法がない。
そこでショーンは、人間とオオカミが共存出来る方法を探し出すため、
自らオオカミになることにしたのである。
そして現在、彼はオオカミの群れのボスとして、3頭を従え、
毎日、様々な苦労を乗り越えながら、
オオカミと共存出来る方法を探している。
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そんなある日、ショーンの元に…東ヨーロッパ、ポーランド外務省から
『国内の牧場で、オオカミによる家畜の被害が続出しているので助けてほしい』と
書かれた手紙が届いた。
早速、ポーランドに渡ったショーンは、オオカミの『遠吠え』を利用し、
牧場からオオカミを遠ざける事にした。
実は、オオカミは、遠吠えの声を聞き分け、その群れが何頭で出来ているか
判断するといわれている。
そして、自分たちのグループより、大きな群れだと近寄らないのだ。
ショーンは、ラジカセと音の反射板を使って、
大きい群れの遠吠えが録音されている、テープを流した。
すると、それ以来、オオカミの被害が1件も発生しなくなったのだ。
今後ショーンは、オオカミの被害に悩む、世界各地の牧場で、
この方法を試してみたいという。
そう、彼が夢見る、人間とオオカミが共存できる日は
そう遠くないかもしれない。
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