07/11/26 OA
誰よりも美しく レディーボーイの夢と苦悩
タイで毎年行われているのが、「ミス・インターナショナル・クイーン」。
だが、ミスといっても出場しているのは女性ではなく、
女性に変身した男性『レディーボーイ』なのだ。
そして、イギリス・ダラム州で会社社長をしているギャヴィンも
今回、このコンテストに参加する一人。
彼は、女装を愛するレディーボーイ。
女装すると、「リア・トゥルー」と言う女性に生まれ変わり、
女装サイトで大人気の有名人となるのだ。
実は、ロンドンの女装コンテストで優勝したこともあるほど美しいリア。
だが彼が、女装で名を上げていることは、家族も会社の人も知らないのである。
そんな中、唯一、彼の女装への情熱を理解し、応援してくれるのが、
ガールフレンドのスー。
彼女は、中身が魅力的であれば、見た目が男でも女でも関係がないという。
そんな彼女は、ギャヴィンのコンテストの準備をお手伝い。
実は、ギャヴィンとスーはサイズが同じなので、
ドレスや靴も、スーに試着してもらうことができるのだ。
一方、オーストラリアに住んでいる、レディーボーイが、
18歳のときから女性として暮らしているダーリーン。
彼女は見た目もしぐさも、女性そのものの美しさだが、
家族は、ダーリーンが女性として生きることを認めてくれず、
弟の結婚式にも男の姿でこい、と言われているのである。
こうして、世界中のレディーボーイがタイに集まってきた。
コンテスト期間の最初の数日間は、みんなでPR活動を行う。
そんな中、ビーチへとやってきた一行。
実はこの大会、ほとんどの出場者は、性転換手術を受け、
女性として暮らしている人たちのため、みんなかなりのナイスバディ。
それをみて、自信喪失するギャヴィン…
こうして、実際のコンテストが始まった。
最初は、オリジナルのショーを披露する、特技審査。
ほとんどの出場者は、プロのエンターテイナーのため、盛り上げ上手。
エジプト代表として出場したダーリーンも、得意のダンスを披露。
そして、イギリス代表のリア(ギャヴィン)は…
なんと、男の姿で登場!
クローゼットの後ろに隠れ、女性へと早着替えするショーだったのだが…
観客も審査員も、反応はイマイチ。
すっかり自信を失ってしまったギャヴィンは、翌日の民族衣装審査にかける。
彼は、このために手作りでコスチュームを作成。
イギリス国旗と電飾をあしらった仕掛けで、勝負したのだ。だが…
結果は、リア(ギャヴィン)もダーリーンも、勝つことは出来なかったのだ。
その後、ダーリーンは苦しんでいた。
コンテストで女性として認められ、自信がつけば、
女性の姿で家族に会うことが出来るかもしれない…その夢がはかなく破れたのだ。
ダーリーンは、コンテストで賞を取ることより、
家族に認められない孤独な思いにさいなまれていた。
一方、イギリスのギャヴィンは、母親に女装のことを打ち明ける決意をしていた。
彼の女装写真を見せられた母親は…
一瞬、言葉を失うが、笑いながらこう言ったのだ。
『もう、うちに来ないで!と言われるとでも思った?』
そう、母は優しく、女装を愛する彼を受け入れてくれたのである。
誰よりも自分に正直に生きる、レディーボーイ。
だからこそ、彼女達は輝いているのかもしれない。