世界まる見え!テレビ特捜部
08/02/11 OA
パイレーツ・オブ・カリビアンの真実 〜本当にいた!「カリブの海賊」の物語〜

ジョニー・デップ主演の大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」。
だが、この『カリブの海賊』が映画の中の夢物語ではなく、
本当にいたことを、皆さんはご存知だろうか?
実は300年前、カリブの海には、本物の海賊が財宝をめぐってしのぎを削る、
数々の戦いを繰り広げていたのである。


そんな海賊が生まれたきっかけは、
1492年のコロンブスの新大陸到達と、その後のスペインによる新大陸進出。
当時、スペインは新大陸の富を独占し、カリブ海を通って本国へ運搬していたが、
その船を襲って財宝を奪おうとする、ならず者が現れた。
実はそれが、海賊の始まりと言われている。
しかし当時、スペインの独占を快く思っていなかったヨーロッパ諸国は、
スペインの船を襲う海賊たちの存在を、喜ばしく思っていたのである。
【統率力に長けた大物海賊 ヘンリー・モーガン】
1654年、イギリスは、スペインに負けじとカリブ海諸国の侵略を計画。
その作戦に参加したのが、ヘンリー・モーガン。
彼は、統率力・戦術力に長けた男で
イギリスのカリブ海進出の第一歩となる、ジャマイカ島の制圧に成功。
そこを拠点に、スペイン船を次々と襲うようになった。


実は、イギリスは、敵対するスペインに対し、軍艦でなくても
『しかるべき理由があれば、船を襲ってもよい』とする、
「私掠免状(しりゃくめんじょう)」なる許可証を発行していたため、
モーガンたちは、公然と海賊行為を働くことが出来たのだ。


1668年、モーガンの狙いは、難攻不落といわれた「ポルトベロ」の町。
モーガンは、海からではなく、陸から攻めるという奇襲攻撃を考え、
ジャングルを歩いて、突如、スペイン軍の前に姿を現した!
この作戦が功を奏し、命知らずの海賊達がスペイン軍に勝利!
モーガンはイギリスを大いに喜ばせたのでる。


だが1670年、イギリスとスペインの間で、マドリード条約が締結。
海賊を取り締まることを条件に、ジャマイカ島の領有権を認められたイギリスは、
それまでとはうってかわって、海賊達に厳しくなっていった。
しかも、モーガンをジャマイカ島の副総督と言う役職に抜擢、
「海賊の親分」に海賊を取り締まらせたのである。
その後、モーガンは裏切り者とののしられながらも、
この職務を遂行したと言われている。


【悪魔の化身と恐れられた 海賊・黒ヒゲ】
顔中に黒いヒゲをたくわえた、身長190センチもある大男。
彼こそ、『黒ヒゲ』として映画や小説でその名をとどめる、
大海賊エドワード・ティーチ。
彼は、長い髪に火縄を結び、いつも煙を立てて、
自分をいかにもイカれた人物のように見せていたと言う。
そう、黒ヒゲは見た目の恐ろしさを武器に、相手を怖がらせて降伏させるのが狙い。
わざわざ殺さずとも、船やお宝を手に入れられればよかったのだ。
こうして、次々と船を物にしていく黒ヒゲの評判はあっという間に広まり、
彼は、「悪魔の化身」として恐れられるようになったのである。


1718年、ついにイギリス海軍に見つかった、黒ヒゲ海賊団。
だが、黒ヒゲの作戦で、海軍の船は座礁。一気に攻め込む、海賊!
そこで、海軍大尉と黒ヒゲの一騎打ちとなった!!すると!
なんと、若い兵士が、黒ヒゲの背後から攻撃!
こうして、大海賊・黒ヒゲは壮絶な最後を迎えたのであった。


【恋多き女海賊 アン・ボニー】
夫がいる身でありながら、海賊団の船長ジャック・ラカムに恋をしたアンは、
あっさり夫を捨て、ラカム海賊団に加わった。
女性が海賊に入るなど、考えられないことだったが、
元々勝気な性格のアンは、男以上に男らしく闘ったと言われている。
そして1719年、襲ったオランダの商船に乗っていた、
腕の立つ剣士を仲間に加えたラカム。
だが、この剣士が恋人のアンと二人っきりでいることが多くなったのだ!
二人に嫉妬したラカムは、ついに剣士に拳銃を向けた!すると…
剣士は突然、服を脱ぎはじめ、その体をラカムに見せたのだ。
「なんてことだ。女じゃないか」
実は、剣士は男装したメアリー・リードと言う女性だったのである。
こうして、二人の女海賊は、当局に捕まるまで
ラカムの船で勇敢に戦い続けたという。


【最後にして最強の海賊 バーソロミュー・ロバーツ】
時を同じくして、カリブ海に向かう一隻の海賊船があった。
その船長が、バーソロミュー・ロバーツ。
彼は、今までの海賊とまったく異なり、酒を飲まない禁酒主義者で
船員にも『消灯は夜8時』『賭け事は禁止』など
厳しいルールを守らせた、厳格な男。
だが、戦闘に入ると、一転して冷酷に人を殺めるロバーツ・・・
その姿が、カリスマ指導者として海賊達の信頼を集めたのである。


ところがその頃、ヨーロッパ各国はそろって海賊の取締りを強化。
3年間で400隻もの船を捕獲したロバーツは、すべての海軍から狙われていた。


そして、1721年。
ロバーツの行方を探していた、マルティニーク島総督が乗ったフランスの軍艦に、
一隻の船が近づいてきた。
それは、なんとロバーツの海賊船。
彼は、自らフランス海軍の船に攻撃しかけ、
マルティニーク島の総督をつるし上げたのである。


だが、1722年。
ついに、イギリス海軍に見つかった、ロバーツ海賊団。
そこで、イギリス軍の放った砲弾がロバーツを直撃、彼の最期となったのだ。
その後、海賊たちの勢力は衰え、黄金時代は終わりを告げたのである。

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