「緑茶」と「紅茶」。
どちらも「チャノキ」という同じ植物の葉が原料なのだが、
どうしてこんなに違うお茶になるのか、ご存じだろうか?
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その違いを生み出しているのは発酵。
お茶の葉は、放っておくとどんどん発酵していくのだが、
熱を加えると、その発酵が止まるという性質がある。
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その特質を使い、全く発酵させないお茶の代表が緑茶。
最後まで発酵させると紅茶などになるのである。
「紅茶大国」と言われるイギリスで紅茶が飲まれるようになったのは、
実はわずか350年ほど前のこと。
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きっかけは1662年。
国王チャールズ2世が、すでに紅茶を飲む習慣のあったポルトガルから
王女カタリナを后に迎えたこと。
このカタリナ王女が結婚の際、紅茶を持参したことで、
ロンドンの王室で紅茶が流行したのだという。
しかし当時、紅茶は非常に貴重で高価なもの。
そのため、紅茶の葉は、カギの付いた箱の中で保管されていた。
そのカギを持っていたのが母親で、女性が家庭で主導権を握り始めたのは、
この頃からだという。
紅茶が普及するにつれ、午後にお茶する「アフターヌーンティー」という
習慣が生まれた。
当時の女性はウエストをコルセットできつく締め上げていたのだが
茶会の時くらいはリラックスしたいと、
エレガントでゆったりとした「ティーガウン」という服が生まれた。
紅茶は、女性のファッションにも影響を与えたのだ。
さらに1900年ごろ、偶然から大発明が生まれた。
紅茶商人のトーマス・サリバンが紅茶のサンプルをお客に配るため、
茶葉を絹の小袋に入れて配ったのだ。
しかし、それを受け取ったお客はそのサンプルを、
そのままポットに入れてしまったのだ。
しかし使ってみるとこれが案外便利!
これがティーバッグの始まりとなったのである。
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