純白の毛皮を身にまとう、ホワイトライオン。
その生息数は、世界中あわせても、わずか300頭程。
アフリカの保護区や、世界中の動物園などにしか存在しない
とても希少な動物なのだ。
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では、なぜホワイトライオンが希少なのか?
その理由は、彼らの類まれなる特徴である「白い色」だとも言われている。
そう、白い毛皮を身にまとうホワイトライオンは、狩りの際、敵に見つかりやすく、
なかなか食事にありつけず餓死してしまうのだ。
だが、なぜそんな環境に反した特徴を持っているのか?
これには、いくつか説があるが、最も有力な説は、
今から2万年前の氷河期にまで遡る。
かつて、ライオンは、アフリカ・アジア・ヨーロッパ全域からアメリカ大陸まで
広く生息しており、当時そこは氷と雪に覆われた一面の白い世界だったのだ。
そんな環境下では、白い毛皮が保護色となるホワイトライオンの方が、
黄色の毛皮を持つライオンよりカムフラージュに適していたのだ。
そして、この時の遺伝子が長い時を超えて、脈々と受け継がれているため、
時折、ホワイトライオンが生まれると考えられているのだ。
そんな奇跡の遺伝子を持つ、ホワイトライオンを守ろうと全世界で
保護活動が行われている。
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南アフリカのウェスタンケープ州にあるサンボナ動物保護区。
ここに暮らしている、ホワイトライオンの夫婦の間に、3頭の子供達が誕生した。
これを期にスタッフ達は、一時的に一家を保護区の外へ放ち
野生での生活を体験させようという計画をたてたのだ。
すると1年後、衛星技術を使って、一家の動きを追跡してみると、
そこには立派に成長した子供達の姿が…。
そう、彼らは、厳しい大自然の中をたくましく生き抜いていたのだ。
純白の毛皮を身にまとい、
人々に見守られながら懸命に生き抜いてきたホワイトライオン。
彼らは、その強い生命力で、これからも子孫を残し続ける事だろう。
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