08/09/01 OA
一獲千金!夢のラクダレース
西アフリカ・ニジェール共和国では、各地でラクダレースが行われている。
中でも、特に盛り上がるのが、その年を締めくくる最後の大レース。
それぞれの村を代表するジョッキーたちが集まり、
高額な賞金をかけて激しく競い合うのだ。
その大レースに出場する村のひとつ、
ベリルタンファーガン村の部族長ジューリには、どうしても勝ちたい理由があった。
実は、彼の村にある小学校は建物の傷みもひどく、床は砂地のまま。
歩くたびに砂が舞うため、子どもたちは慢性的なぜんそくに悩んでいたのだ。
そこで、このラクダレースで優勝し、
その賞金で小学校を修繕しようと考えたのである。
そんな村を代表して騎手を務めるのは、ベテランジョッキーのギビ。
ところが肝心のラクダが歳を取りすぎ、満足に走れない。
とはいえ、新たにラクダを買う金など無い・・・。
そこで部族長ジューリは、村の財産である大切な牛の中から4頭を選び、
市場で生きのいい2頭のラクダと交換することに成功。
こうして手に入れた2頭のラクダをギビが大事に調教し、
いよいよラクダレースの日を迎えることに・・・
もし優勝すれば、その賞金は、500ユーロ!!!
彼らにとって、なんと年収の4年分に当たる額である。
いよいよレースがスタート!
ギビは、絶好の位置をキープし、4キロ地点で一気にトップに踊り出た!
しかし突然、ラクダが暴走し、なんとコースアウト。
急いでコースに戻ったものの、後続に追い抜かれ、17位にまで転落・・・。
ところが、先頭集団のラクダがカーブで転倒!
またも順位が入れ替わり、レースは大荒れに。ゴールまで残りわずか。
すると猛烈な勢いで迫ってくる一頭のラクダが・・・
それはギビ!
彼はアクシデントを挽回し、すさまじいスピードでトップに迫っていたのだ。
そしてついに2位にまで浮上!残り30メートル!
果たして結果は・・・
ギビは、惜しくも2着でゴール。
優勝は逃したものの、2位の賞金を手にした彼らは、その金を小学校に寄付。
ジョッキーたちの頑張りによって、校舎は希望通り修繕されることになり、
子どもたちは元気に授業を受けているという。