1981年7月29日に行われた、
イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ元皇太子妃のご成婚。
そこに出された <ウェディング・メニュー> の中で、
特に人気が高かったメニューが、ヒラメのすり身を卵白と生クリームで団子状にし、
最高級のロブスターソースをかけた『ヒラメのクネル、ロブスターソースがけ』と、
ムース状にしたラム肉を鶏肉に詰め、
刻んだパンをまぶして焼いた『ラム肉のムース詰めチキン』。
しかも、この <ウェディング・メニュー> は、
エリザベス女王がダイアナ妃の為に、自ら考案された特別料理だったと言う。
この様なイギリス王室の豪華な料理の数々と王室の裏話を、
元王室シェフの『グラハム・ニューボールド』が紹介する。
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エリザベス女王がお気に入りの『ウィンザー城』。
ここで度々、開かれる晩餐会に欠かせないオードブルが <カナッペ> である。
最高級のローストビーフや、茹でたエビをのせた物、
チョコレートムースにマスカットをのせた物などを、
20人のシェフが、約1万5000個も作るのだが、
そのほとんどは招待客が食べ切ってしまうと言う。
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そして、オードブルの後はメインディッシュ。
王室シェフのグラハムが実際に作って好評だったのが、
時間をかけて焼きあげた上質な鴨肉に、
オレンジ果汁や白ワイン、フォンドヴォーなどを煮詰めた熱々のソースをかけた
『鴨肉のオレンジソース、ロイヤル風味』。
これはイギリス王室の定番料理である。
更にグラハム・シェフによると、
エリザベス女王は、意外にも"質素な料理"が大好物で
昼食には <フィッシュ&チップス> を良く召し上がっていたと言う。
これは、白身魚の切り身のフライとフライド・ポテトを合わせたスナックで、
イギリスでは <庶民的な料理の代表> 。
女王は <フィッシュ&チップス> に、
香辛料のオレガノを混ぜた"特製マヨネーズソース"をつけて食べるのが
お気に入りなのだと言う。
スコットランドの田舎町 <バルモラル> 。
ここは古くからの <王家の静養地> の為、
山深い小さな町にも関わらず <王室御用達の店> が数多く立ち並ぶ。
肉や魚はもちろん、ニンジンやブロッコリーなどの野菜も
<王室御用達の畑> で採れたものが揃っているのだ。
更に、この町の川では、チャールズ皇太子がサーモンを釣る姿も
良く見かけられると言う。
そこで、グラハム・シェフが、チャールズ皇太子の大好きな
<サーモン料理> を教えてくれた。
骨を取り除いた <サーモンの切り身> に塩・コショウで下味をつけてから
白ワインベースのブイヨンに浸して10分程煮る。
サーモンが鮮やかなピンク色に変わった所で鍋から取り出し、
別に煮込んでいた野菜と一緒に盛り付ける。
仕上げに卵黄とレモン果汁の入ったクリームソースを掛ければ
『サーモンの煮込み、オランデーズソースがけ』の出来上がり。
グラハム・シェフは語る。
「王室シェフとして働いた6年間は私の人生で最も輝いていた時。
イギリス王家に仕えることが出来た事をとても誇りに思っています。」
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