09/01/05 OA
歌え!踊れ!熱狂70万人、リオのカーニバル
ブラジル、リオデジャネイロ。
この街は、毎年2月から3月になると,全世界から
観光客が押し寄せ、どこもかしこもサンバ一色となる。
そう、この街の【サンボドロモ】という、カーニバル専用の会場で、
あの有名な、リオのカーニバルが開かれるのだ。
長さ700メートル、収容人数6万人の大規模な会場で、
カーニバルの4日間だけ使用される。
そもそも、リオのカーニバルの始まりは、
【エントゥルード】と呼ばれる、移民してきたポルトガル人が伝えた、
水をかけあう祭りから来ていると言われている。
その後、アフリカの奴隷によりもたらされた、
サンバのリズムが使われるようになり、
現在のサンバカーニバルが生まれたと言われている。
【審査の方法】
10項目の審査基準の他にも、厳しいルールが設けてあり、
守らない場合、減点対象となってしまう。
それらを、40人の審査員が10点満点で評価し、優勝を決めるのだ。
【パレードの構成】
サンバチームはテーマに合わせてシーンを展開する、動く劇場のようなもの。
総制作費は数億円に達するものも。
ダンサーや打楽器隊で、巨大な山車をはさむ形でパレードを構成し、
子どもからお年寄りまで、役割によってグループわけされ、
中でも「バイアーナ」と呼ばれる女性ダンサーは必須。
そして、そのダンサーの間にはチームの旗を持って踊り、
審査基準を大きく左右するカップル、メストリ・サラとポルタ・バンデイラがいる。
パレードの花形、クイーンダンサーと呼ばれるダンサーもいて、
容姿と実力を兼ね備えた、ブラジル女性なら誰もが憧れるポジションである。
【2008年の出場チーム紹介】
[1]まずは21回の最多優勝を誇るチーム『ポルテーラ』。テーマは「地球環境」。
先頭は、クラゲ衣装に身を包む男だけのダンサー。
正面の巨大な山車から激しく水を吹き上げ、
チームのシンボルであるワシに水の流れを表している。
黄色いヒョウのダンサーは、絶滅の危機に瀕している動物をモチーフにしている。
首を振る巨大なヒョウは、なんと15人がかりで動かしている。
[2]リオから100キロ離れた街<サン・ゴンサロ>から参加したチーム
『ポルト・ダ・ペドラ』。テーマは「日本移民100周年」。
先頭を進むのは、少し小さめの京都の金閣寺。歌舞伎ダンサーの姿も。
その後ろには、くるくる回る花魁(おいらん)ダンサー。
寿司屋をイメージした山車のたらいには、くるくる回る相撲レスラー。
そしてこのチームのクイーンダンサー<アンジェラ・ビスマルチ>さんは、
日本人に似せようと、整形手術までしたとか。
[3]2年連続準優勝の『グランヂ・リオ』。
テーマは「アマゾンから天然ガスがやってくる」。
白い衣装はガスを表していて、続く山車は、ガスの産出機。
アマゾンから天然ガスを産出したことで、
ブラジルもエコロジーに転換しようというメッセージが込められている。
その後ろからアマゾンの山車が。鼻から出るのはガス。
巨大な蛇が吐くのもガス。
まさにテーマそのもの、ガスにこだわるチーム。
[4]リオの隣街<ニテロイ>からの参加チーム『ヴィラドウロ』。
テーマは「ゾクゾク震える」。
ペンギンの大行進に続くのは、なんとスキー場!
寒さのゾクゾクを表すため、なんと本物の雪26トンを使いゲレンデを再現。
黒い集団は、300匹のクモダンサー!
そして身の毛もよだつゴキブリダンサーまでも登場。
[5]ド派手な山車で登場したチーム『ベイジャ・フロール』。
テーマは赤道直下の街<マカパーバ>を題材にした
「世界の中心へファンタスティックな旅」。
真っ赤な山車は、赤道直下の燃えたぎる太陽を表現。
アマゾンのジャングルをイメージした超巨大で豪華絢爛な山車が続く。
今回は巨大な山車を8台、参加人数はなんと4200人と言う大所帯で
挑んできた。
総制作費はカーニバル始まって以来の最高額、400万ドル以上、
日本円で4億円を超える。この「ベイジャ・フロール」チームの得点は、
400点満点中399点で、ほぼ満点。
2008年リオのカーニバルで、みごと優勝を果たした。
この地球最大の祭典は、来月開催予定。
衣装代300ドルから500ドルを払えば、誰でもパレードに参加できるので、
機会があれば、一度、訪れてみてはいかが?