09/03/23 OA
隠しカメラが捉えた 格安航空会社 知られざる実態
ヨーロッパの大手格安航空会社、ライアンエアー。
チケットの価格は、時期によって変わるが、
ある日のホームページでは、
イギリス・ロンドンからドイツ・フランクフルトまでが、10ポンドと書いてある。
これは、日本円では約1300円ほど。
この激安運賃こそが、ライアンエアーのウリなのだ。
その安さの秘密は・・・
1.機内サービスが一切ない(有料)
2.荷物を預けるのは別料金
3.座席は自由席
4.メジャーな空港を使わない ・・・などなど
例えば、フランクフルトと言っても、
「フランクフルト国際空港」ではなく、そこから120キロも離れた
「フランクフルト・ハーン空港」を使用する、といった具合である。
しかし、これだけ安ければ、多少の不便には目をつぶらなくてはならない。
だが、ライアンエアーには更なる秘密があったのだ!
これは、イギリスの番組「ディスパッチズ」が、
番組リポーターを客室乗務員として潜入させ、その内部を独自に取材。
隠しカメラで捉えられた数々の映像から、
ライアンエアーの実態に迫る問題作なのだ。
番組のリポーター、チャーリーとメアリーは、客室乗務員になるため、
ライアンエアーの研修を受ける。
すると、セキュリティのテストでは、教官が一言。
「運輸省から、ノートを見ながらテストしてはいけないという指示はないので、
ノートを見ながらテストを受けてもかまいません」
こうして5週間の研修とテストを終えて、客室乗務員になると
今度は、搭乗口の仕事で先輩乗務員が一言。
「パスポートをチェックするように言われていると思うけど、
手に持っていればOKよ。チケットを切って飛行機に乗せればいいの」
実は、ライアンエアーは、着陸後25分で出発するスケジュールとなっている。
そのため、乗客の乗り降りや、機内の清掃を急いでやらなければ
間に合わないのだと言う。
リポーターの隠しカメラには、
ライフジャケットのチェックをしていない様子や、
子どもが嘔吐してしまったあとに、アフターシェーブローションをかけて、
その臭いを消そうとする乗務員達の姿が映し出されていた。
しかし、そんな乗務員達は、一日10時間のシフトが1週間続くこともあるという、
過酷な勤務シフト。
そのため、客室乗務員がフライト中の機内で
眠ってしまっているときも度々あった。
また、リポーターが副操縦士に話を聞くと、
パイロットもまた、法的に100時間までと決められている中、
99.9時間まで働かされていると言う。
深夜に、「飛行機が遅延する」と言う非常事態でも、
客にソフトドリンクを出すことすらない。
機長いわく「そんなことをすれば、私がクビになる」と言うのである。
この番組の内容に対し、ライアンエアー側からは、こんな返答が寄せられた。
「今回の映像のような事実はないと言う解答を、詳細な文書として提出します。
パイロットや乗務員は、疲労困憊などしていません。
番組は、ライアンエアーが規則違反や、法律違反をしていると言う証拠を
提示すべきです。
そうでなければ、民間航空管理局などが、調査に乗り出すでしょう。」