09/05/11 OA
謎の旅客機事故 完全検証FILE
【闇のフライト】
1996年10月2日の午前1時10分。
南米ペルーのリマ国際空港から、乗員・乗客70名を乗せた
アエロペルー603便が、チリに向けて飛びたった。
しかし離陸後、高度計や速度計が反応せず、海に墜落してしまったのである。
その原因を探る為、水中深くに沈んだ機体の残骸を回収すると
その中から、不可解なモノがみつかった。
それは、マスキングテープがはりついた機体の残骸。
実は、はりついたテープの下は、飛行機にとって大切な
「静圧孔」と言う部分であった。
「静圧孔」とは、飛行中の大気圧を測り、
その変化によって速度や高度を割り出す、極めて重要な計測装置。
これがふさがれていた、アエロペルー603便は、
飛行に欠かせない高度や速度が計測できず、墜落してしまったのである。
だが、なぜ、こんなにも重要な部分がふさがれていたのか?
実は、離陸前に行われた機体の洗浄作業の際、
整備士が静圧孔に水が入らないようにする為
マスキングテープを張ってふさいだのだが、
作業を終わったあと、テープをはがし忘れてしまったのだ。
この些細なミスが、70名もの命を奪う大惨事を招いたのである。
【謎のパイロット】
1994年3月22日。
アエロフロート593便は、ロシア・シベリアの山中に墜落、
乗員・乗客75名が犠牲となる大惨事となった。
この事故原因を解き明かしたのは、墜落現場から回収されたボイスレコーダー。
ここに、驚くべき会話が録音されていた。
夕刻のモスクワを香港へ向け飛びたった、アエロフロート593便。
離陸後、機体を自動操縦へと切り替えた機長の元へ、彼の子どもらが遊びに来た。
すると機長は、操縦席に座りたいとせがむ息子を、席に座らせたのだ。
興味津々で、飛行機の操縦桿を握る息子。
だが、息子が大きく操縦桿を動かした事で、なんと自動操縦が解除。
その結果、機体は、高度1万メートルから真っ逆さまに急降下。
乗員乗客70名の尊い命は一瞬にして奪われてしまったのであった。