パキスタン・ディール。
この街でトラック野郎として活躍しているのが
運送会社に勤める、ダウッドとカリードの兄弟。
彼らの仕事は、ディールからチトラルの街まで荷物を運ぶこと。
だが、そのルートは極めて危険で
多くのトラックドライバーが命を落としている道なのだ。
そう、そこは標高３０００ｍの山岳地帯を通る全長２４０ｋｍにおよぶ道、
通商『死のロード』と呼ばれる場所であった。
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朝７時。
ダウッドとカリードの兄弟は、チトラルに向け出発。
息をのむような断崖絶壁が連なり、
トラック一台がやっと通れるほどの狭い道を、ギリギリで走っていく。
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しかも、高山の雪解け水によってタイヤがスリップしやすい。
一瞬でも気を抜けば、崖下にまっさかさま。
ここは、死の世界に最も近い場所なのである。
ダウッドとカリードは、神経をすり減らしながら死のロードを通過。
実に、４日間かけ、チトラルの街に無事到着した。
ちなみに、彼らの給料は１か月に６０ドルと、この地域では一般的。
しかし、このチトラルまでの運搬をうけおうと、
１回につき９０ドルのボーナスが支給されるのだ。
そのため彼らはできるだけ多くの回数をこなそうと、
日々、死ととなり合わせの道を走っているのである。
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