09/06/29 OA
世界でたった一つのミス・コンテスト
大歓声の中、始まった第1回障害者ミス・コンテスト、
< ミス・アビリティ・コンテスト >。
司会は、≪ルシル・ヴェルナール≫と≪ヤープ・ヨングブルット≫。
生まれつき両足が不自由で、歩行が困難な状態でありながらも、
現在タレントとして活躍しているルシル。
この大会は、彼女の「障害者に対する偏見や差別をなくしたい」という思いが
きっかけで開催されることになった。
海上には、応募者150人の中から厳しい予選を勝ち抜いた美女たちが。
1.腕の肘から先がない≪カルレイン≫(26)
2.脊椎被裂を患い下半身不随の≪キム≫(28)
3.手足の痙性麻痺で文字が上手く書けず、
言語障害があるという大学生≪フロア≫(21)
4.事故で右足を失ってしまった≪ミランダ≫(27)
5.両足の長さが違うため足を引きずりながらしか歩けない≪ヨライン≫(22)
6.首の筋肉に異常があり、常に頭が後ろへ引っ張られるという
病気を抱える≪ロース≫(21)
7.下半身不随の≪シェシラ≫(24)
8.可動性亢進という関節が脱臼しやすい症状を抱え、
右腕も発育不全という≪ドゥニーズ≫(23)
審査員は、錚々たる4名。
1.50年前、オランダ初のミス・ワールドに出場した
≪コリーヌ・ロトシェファー≫
2.人気ラジオ局のDJを努める≪マルク・デ・ホント≫
3.2005年のミス・オランダ、≪イレーヌ・ファン・デル・ラール≫
4.大手レコード会社のオーナー兼モデル事務所社長の
≪ヘルマン・ヘインスブラーク≫
審査員達は、出場者の外見的な美しさはもちろん、
人柄から感じ取れる知的さや個性を厳しくチェックし
健常者のミスコンと同じ目線で審査。
見事グランプリの座に輝いた女性には、
健常者との垣根をなくす活動を行う親善大使としての名誉が与えられ、
数々の豪華賞品がプレゼントされるのだ。
最初の審査は、なんと水着審査。
ミスコンでは定番ともいえる水着審査も、障害のある彼女たちが、
全身を露出する事は、日常生活では、きわめて稀な事。
しかし、これも健常者と同じように扱って欲しいと考える彼女達の要望を
取り入れて実現したという。
しかし、残念ながら、ここで4名は脱落してしまう。
脱落したのは、華やかさに欠けるという≪カルレイン≫
ミスとしてのオーラがあるか疑問が感じられたという≪フロア≫
気品さが足りないとの理由から≪ヨライン≫
そしてカリスマ性に欠けるという理由から≪ミランダ≫の4名。
彼女たちは、拍手で送られ、会場をあとにした。
そして、いよいよ最終審査。
テレビを見ている視聴者の電話投票により、優勝者が決定する。
その審査とは、< いかに自分がミスにふさわしいかを語る自己PR >。
エステサロンを経営するアクティブ・ウーマン≪キム≫をトップバッターに、
ボーイフレンドと楽しみながらコンテストに参加した≪ロース≫
苦労を全く口にしない頑張り屋の≪シェシラ≫
明るいキャンパス生活を送る大学生≪ドゥニーズ≫が、
熱のこもったPRを繰り広げた。
こうしてPRタイムも終わり、電話投票の集計結果が司会者の二人に手渡された。
その結果、4位は≪ドゥニーズ≫、3位は≪キム≫の手に。
と、ここでビッグサプライズが!
優勝者プレゼンターとしてオランダのバルケネンデ首相が、
盛大な拍手に迎えられてステージに登場したのだ。
そして栄えある第1回・障害者ミス・グランプリに選ばれたのは、≪ロース≫。
≪シェシラ≫は2位となった。
見事、グランプリの座に輝いたロースには、
バルケネンデ首相からきらびやかな王冠がプレゼントされ、
健常者との垣根をなくす活動を行う親善大使としての名誉が与えられた。
放送後、この第1回ミス・アビリティ・コンテストは、大きな話題を呼んだ。