世界まる見え!テレビ特捜部
09/07/06 OA
目指せ!!世界のトップモデル

イスラエルに住む18歳の少女、デュアーは
"イスラム教ドゥルーズ派"の家庭に生まれた。
"ドゥルーズ派"とは、ユダヤ人の多い国家『イスラエル』の中で
市民権を認められたアラブ人の一派。
戒律を固く守る厳格な社会を形成している。
しかし、スタイルも良く、美しい少女であるデュアーは、
そんな閉鎖的な社会を飛び出し、『世界のトップモデル』として
羽ばたく事を夢見ているのだ。



デュアーは現在、イスラエル在住のアラブ人女性たちによるミス・コンテスト、
『ザ・レディ・オブ・ジ・アラブ』に参加している。
これはアラブ人だけのミス・コンなので、女性が人前で肌を出す"水着審査"は無く、
洋服の露出も少ない。
しかも、参加者も少ない小さな大会のため、
ここで優勝しても、その後世界的なモデルになれる可能性はとても低いと言う。
そこでデュアーは、更に大きな『ミス・イスラエル』コンテストに
出場したいと考えている。
『ミス・イスラエル』で優勝出来れば、
『ミス・ユニバース』の世界大会への出場権が手に入る。
そうすれば、世界で活躍するモデルへの道が開けるかもしれないのだ。
自分の夢を実現する為、『ミス・イスラエル』に参加を申し込むデュアー。
面接審査も通過し、順調なスタートを切った。



だがその直後、デュアーにとって非常に大きな問題が発生してしまった!
『ミス・イスラエル』には水着審査があったのだ!
ミス・コンとしては当然の事なのだが、
デュアーの母親は「ドゥルーズ派の若い女性が水着姿で人前に出るなんて事は、
絶対に許されない!」と猛反対!
両親は、水着審査の無い『ザ・レディ・オブ・ジ・アラブ』だけに出る事を勧めるが、
世界に羽ばたきたいデュアーは、
決勝まで進んでいた『ザ・レディ・オブ・ジ・アラブ』を諦めても
『ミス・イスラエル』に出たいと訴える。
結局、デュアーと両親の意見がまとまる事は無かった。
そしてデュアーは、悩んだ結果、『ザ・レディ・オブ・ジ・アラブ』の決勝を辞退、
親に何も告げずに『ミス・イスラエル』の最終選考が行われる
都市・テルアビブへと向かったのである。



1か月後。
デュアーは見事、『ミス・イスラエル』の最終候補にまで残っていた。
"ドゥルーズ派"の女性としては初の快挙だったが、これが思わぬ波紋を呼ぶ。
何とデュアーの事が"ドゥルーズ派"の有力者たちに知られてしまったのだ。
そして彼らの「"ドゥルーズ派"女性が水着姿で公の場に出ることなど、
絶対に許されない!」と言う怒りのコメントが、ニュースで報道されたのである。
そして、騒ぎを聞いたデュアーが実家に戻ると、
そこでは多くのショッキングな出来事が起こっていた!



父親のマルワンが地元警察に拘束された上、
「デュアーを『ミス・イスラエル』に出したら後悔するぞ」と脅迫状まで
届いていたのだ!
実際、デュアーの"殺害計画"を立てていた人物が逮捕されたのだが、
何と犯人はデュアーの"実のオジ"・・・
デュアーを取り巻く状況は、あまりにも絶望的な事になっていたのである。
更に、"ドゥルーズ派"のリーダーからも
『ミス・イスラエル』を辞退する様にと電話が入り、
村の男たちからも「人前で肌をさらけ出す事は絶対に止めるべきだ!」と
説得されたのである。
母親のダリアは「"ドゥルーズ社会"を敵に回すことはできない」と言い、
その言葉をデュアーは、こわばった表情で聞いていた。



数日後、『ミス・イスラエル』コンテスト決勝。
きらびやかな水着姿で登場する候補者たちをデュアーは客席で見ていた。
結局、彼女の夢が叶う事は無かったのである。



携帯サイト