09/08/24 OA
サメ男の挑戦
鋭い牙と強靭なアゴで獲物を食いちぎるホホジロザメ。
映画「ジョーズ」のモデルとしても有名だが、
そんなホホジロザメと海で一緒に泳ぎたいと考えた男がいた。
それが、新米サメ研究家の「マイク・ラッツェン」である。
実は、サメは近年、乱獲などによって絶滅の危機に瀕している。
その凶暴なイメージのせいで、保護のムードが高まるらないのだ。
マイクは、そんなサメのイメージを覆すべく、サメと優雅に泳ごうと考えたのだ。
そのために、彼は万が一の時どう対処すべきかを専門家に教わることにした。
[1]大西洋バハマ諸島のサメ研究家、サム・グルーバー博士の方法
グルーバー博士が、ニシレモンザメの子どもをあお向けにひっくり返すと、
おとなしくなり動かなくなってしまった。
催眠状態に陥ったのだという。
サメにとって、裏返しの体勢は、自然ではありえない異常な状態であり、
そんな異常に対応しようと、脳からリラックスさせる物質が出るため、
こうした催眠状態に陥るのではないかという。
しかし体長1.5mのニシレモンザメをひっくり返そうとすると、
突然暴れ出し大騒ぎになってしまった。
この方法は大きなサメには使えない。
[2]大西洋バハマ諸島の大型サメの専門家、クリスティーナ・ゼナートの方法
クリスティーナが、体長3mのメスのペトロメジロザメの鼻先優しくなでると、
サメは動かなくなってしまった。
実は、サメの鼻先にロレンチーニ器官という鋭い感覚器官があり、
そこに刺激を与えると、サメは催眠状態に陥ると考えられている。
マイクは、クリスティーナの元で特訓に励むことに。
そして・・・近づいて来た一匹のサメの鼻先を優しくなでると動きが止まり、
安心しきっているかのように、その場から動こうとしない。
さらにマイクは、鼻先をなでながら背びれをつかみ、
なんと水中でサメをまっすぐに逆立ちさせてしまった。
こうして、催眠状態にするテクニックを習得し、
ホホジロザメと一緒に泳ぐ自信を深めるマイク。
マイクは、地元の南アフリカへ帰り、ホホジロザメにつかまっての海中遊泳に挑戦。
サメが近づいてくるのを見計らって、そっと触れようとする。
しかし、なかなか上手くいかない。逃げられてしまう。
と、その時、体長5m近い巨大なメスが現れた。
穏やかなそうなそのサメの背びれにマイクは直接、手を掛けると、
なんとホホジロザメはそのままマイクを連れて泳いでいったのだ。
その後、このランデブーは1分間続き、見事、マイクはホホジロザメにつかまって
泳ぐことに成功したのである。