世界まる見え!テレビ特捜部
09/09/14 OA
激突まで60秒!空中カメラマン運命の決断

イギリス、ピーターバラ。
スカイダイビングのインストラクター≪マイク・スミス≫は、
今日がジャンプ初挑戦となる≪リチャード・メイナード≫と
2人1組の「タンデムジャンプ」の準備をしていた。
そして、その瞬間を撮影するのは、空中カメラマンの≪ロニー・オブライアン≫。
飛行機がダイビングポイントに到着すると、いよいよタンデムジャンプがスタート。
カメラマンのロニーも外へ飛び出す。
ものすごいスピードで瞬く間に地面へと落下していく。
通常、タンデムジャンプは、2人分の体重により落下スピードが早くなるため
ジャンプしてすぐに「ドローグシュート」という小型パラシュートで
減速しなくてはならないが、この時、インストラクターのマイクは、
リチャードの姿勢が悪かったため、パラシュートを開けずにいた。



そこで、体勢を崩したまま、やむなくパラシュートを開くと、
パラシュートのコードがマイクの首に巻き付いてしまったのだ。
巻き付いたコードは、とてつもない力でマイクの首を締め上げていく。
落下速度は時速200キロ。
このままでは、わずか60秒後に、2人とも地面に叩き付けられてしまう。
しかも、マイクは意識を失ってしまったのだ。



マイクの様子がおかしい事に気付いた、カメラマンのロニーは、
懸命に彼らの元に向かおうとした。
ところが2人の落下速度は速く、すでに450メートルも下に。
この時、残されていた地面激突までの時間は、残り45秒。
一刻も早く追いつかなくてはならない。
ロニーは、手足を体にそって伸ばし、空気抵抗を減らして加速、
なんとか2人に追いつく事ができた。
そして、自分のパラシュートを指差し、早く開けとマイクに合図を送るが、
マイクは気を失っているため反応しない。
地面激突まで、残り30秒。



マイクが全く反応しない事が分かったロニーは、空中で2人を捕まえ、
代わりにマイクのメインパラシュートを開く決断を下した。
しかし、凄い勢いで回転している2人を捕まえるのは、極めて困難。
それでもロニーは、なんとか2人の背中を捕まえる事に成功。
この時、地面激突まで、残り15秒。



ここで、メインパラシュートを開いても、
首に巻き付いたパラシュートと絡まってしまう可能性がある。
そう考えたロニーは、首に巻き付いているパラシュートと絡まる危険性が低い、
マイクの予備パラシュートを開く事を思いついたのだ。
ところが、予備のパラシュートを開くコードはマイクの胸あたりにあり、
背中側にいたロニーは、手が届く位置まで移動する必要があった。



地上まであと750メートル、時間にすると地面激突まで、あと10秒。
もはやダメかと思われたその時!!
ロニーはギリギリのところでマイクの予備パラシュートを開く事に成功。
パラシュートは絡まることなくまっすぐ開き、
マイクの首を締め上げていた力も弱くなったため、
彼は、無事、意識を取り戻し着地に成功したのだ。



一方、カメラマンのロニーも、地面激突まであと8秒の所で、
急いでパラシュートを開き、何とか着陸。
絶体絶命だった事も知らずに、
初めてのスカイダイビングの成功に大喜びしていたリチャードは、
マイクが気を失っていたと聞かされ唖然。
あれだけのアクシデントに遭いながらも全員の命が助かったのは、まさに奇跡。
マイクは、その後、この時の映像を見て、
カメラマンのロニーがいなかったら間違いなく死んでいたと語った。



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