【危険その[1]：出発前のアクシデント】
1969年7月16日、打ち上げ当日。
フロリダ州≪ケネディ宇宙センター≫では、
発射準備の整ったシャトルに≪船長のアームストロング≫、
≪オルドリン≫、≪コリンズ≫の3名が誇らしげに搭乗した。
|
 |
しかし、この時にはすでに大きなアクシデントが発生していたのだ。
それは、アポロ１１号の燃料漏れ。
打ち上げのリスクについても承知し、万が一、事故が起きても
９９％生還できると信じて止まなかったオルドリン。
彼のこの自信は、仮にロケットが爆発したとしても、
２秒後には飛行士の乗り込んだカプセルが切り離される、
脱出装置が搭載されていたから。
しかし、この脱出装置にも、
一部の職員だけに極秘書類によって知らされた欠陥があったという。
その衝撃の事実とは、
「打ち上げ直後に、ロケットに何らかの不具合が生じた場合、
飛行士は救えないだろう」という一文。
そうとは知らず、アポロ11号は38万kmかなたの月をめざし
広大な宇宙空間へ飛び出したのだった。
【危険その[2]：奇妙な交信】
打ち上げから３日、アポロ11号は地球から32万km地点に到達。
そんなアポロ11号との交信手段は無線のみ。
すると、飛行士から、２日前に切り離したロケットのS-ⅣBが
どこにあるか教えて欲しいという無線が。
遙か後方にあるはずのロケットのことを、なぜ彼らは尋ねたのか？
実はその時、飛行士たちの肉眼で見えるほどの至近距離に、
見知らぬ飛行物体を確認したため。
しかし、飛行士たちは宇宙人騒ぎでも起きれば、
地球への帰還命令がでてしまうことを恐れ、帰還するまで、
その飛行物体のことは口にしないことに決めていたという。
だが、あれは一体何だったのだろうか？
【危険その[3]：月面着陸】
アームストロングとオルドリンの2名が乗り込み、月面へ向かう月着陸船。
極限までの軽量化が計られた着陸船の壁は、アルミ箔2枚分の強度しかなく、
さらに、訓練の時から事故や故障が絶えず、操作が非常に難しい機体。
また燃費が非常に悪く、すぐに燃料切れになってしまう代物だった。
そんな着陸船で臨む月面着陸の日。
月面を目前にしたその時、船内に警報音が鳴り響く。
当時、アポロのコンピューターは、デジタル時計ほどの処理能力しかなかった為、
膨大な情報が一気にコンピューターに入り込んでエラーが発生したのだ。
そこで、アームストロングは、コンピューター操作から手動での操縦に切り替えた。
しかし、この混乱で、予定していた着陸地点を大幅に通り過ぎてしまい、
着陸船の着陸用燃料は、残り2分しかもたない。
そう、残り2分で月の表面に平坦な場所を探し、着陸しなければならない。
そこで、官制官の一人がストップウォッチを手に
燃料のカウントダウンをスタート。まさに時間との戦い。
燃料切れまで残り15秒の所で2人の月面着陸は成功したのだった。
|
 |
そして、船長アームストロングが月に降り立ち、
「１人の人間にとっては小さな１歩だが、人類にとっては偉大な１歩だ」
という歴史に残る名言が誕生。
そして15分後、もう一人の飛行士オルドリンも月に降り立つと
飛んだり跳ねたり月面をエンジョイ。
そんな彼らを待ち受けている最大の難関が、月からの脱出だった。
【危機その[4]：命を救った文房具】
月からの脱出は、月着陸船の中心に設置されたロケットを噴出して、
着陸船上部だけが司令船へ戻る事になっていた。
しかし、このロケットも故障が多く、正常に作動するかは五分五分だったのだ。
もし正常に動かなければ、飛行士たちが月から離れる手立てはない。
実は、もしもの時に供え、ニクソン大統領はスピーチを用意。
そこには、
「月の調査に行った彼らは月の上で安らかな眠りにつく運命にあったのだろう」
と書かれていた。
確率50%という極めて危険な賭けだった、ロケット点火。
しかも最悪なことに、ロケット点火スイッチが折れていたのだ。
このままでは、点火さえ出来ない。
飛行士たちは船内を必死に探し回り、１本のボールペンを発見。
彼らは、ボールペンの先端でスイッチを押し、
エンジンを始動することができたのである。
【危機その[5]：大気圏突入】
打ち上げから８日後、アポロ最後の難関「大気圏突入」。
突入するとき、角度が深ければ船は燃え尽き、
浅すぎれば宇宙のかなたへはじき飛ばされてしまう。
また突入時は、超高温に包まれるため、およそ４分間の通信が断絶する。
いよいよ大気圏突入開始。そして…
パラシュートが開き、3人の飛行士達をのせたアポロ11号は
ハワイ沖に無事着水し、世界中の祝福を受けた。
様々な困難を乗り越え、人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号のミッション。
彼らの偉業は永遠に語りつがれることだろう。
|
