09/09/28 OA
地球が猿の惑星だった頃…
700万年前の地球。
恐竜は6500万年前に絶滅し、別の生物が生活していた。
私たちの祖先は、残った木の上で木の実などを頼りに生活していたが、
空腹は満たされなかった。
生存本能に突き動かされ、木を下りた我々の祖先。
しかし、一面に生えた草が邪魔で前がよく見えず、
敵の姿が確認できないことから、彼らは後ろ脚で立ち上がっただ。
そう、二足歩行の始まりである。
400万年前の地球。
アフリカの中央部から南に広がる草原を歩き回っていた。
猛暑という環境下で順応したのが≪アウストラロピテクス≫。
脳の大きさは50cc程度と現代人のおよそ3分の1で、身長は100〜140cmくらい。
2足の脚で直立して歩くようになっていた彼らは、
毎日、かなりの距離を歩いて移動し、
時には大きな川を渡ることもあったと思われる。
250万年前の地球。
氷河期が訪れ、海の水位が下がっていたこの頃、
過酷な干ばつが続くアフリカでは、
新たな人類の祖先である「器用な人」という意味の名前を持つ
≪ホモ・ハビリス≫が現れた。
600〜800ccの脳をもつ彼らは、画期的なアイデアを生み出す能力を持ち、
道具を作り、以前よりも食糧を得やすくなったと思われる。
そして、たんぱく質の供給量が増えたことで、
脳をさらに発達させることができたのだ。
そんな彼らは50万年以上もの間、繁栄したと考えられている。
200万年前の地球。
「働くヒト」という意味を持つ≪ホモ・エルガステル≫が現れた。
彼らの脳の大きさは、およそ900cc。
現代人の3分の2ほどまでに発達し、社会性や感情を身につけていたと思われる。
時の流れを感じ、失われた仲間を悲しむ気持ちがあったと考えられている。
我々の祖先は、さらに進化を遂げ、
「直立するヒト」という意味の≪ホモ・エレクトス≫が現れた。
グループ内で仕事を分け、労働の専門化を始めた彼らは、
たんぱく質の豊富な肉を食べることで、脳が活性化されたと考えられる。
40万年前。
彼らは、極めて重要な道具「火」を発見した。
火を使って武器の先端を固くしたり、野生動物から身を守る方法を見付けた彼ら。
狩りで得た肉を調理する技術も身につけた。
その後、再び気候変動に襲われた地球。
ヨーロッパには、気候変化に強い人類≪ネアンデルタール人≫が誕生。
脳は、現代人とほぼ同じ1500cc。
彼らは、火を完璧に使いこなすようになっていき、
仲間が死んだ時には埋葬を行い、何らかの儀式もあったと思われる。
ネアンデルタール人は、その後20万年の間ヨーロッパを支配した。
4万年前の地球。
ネアンデルタール人と入れ替わるように勢力を広げたのが、
「知恵のある人」という意味の≪ホモ・サピエンス≫。
彼らこそ、私たち現代人に直接つながる祖先と考えられる。
一部のネアンデルタール人とホモ・サピエンスは、
数千年間、同じ時期を生きていたと思われる。
そして、3万年前に忽然と姿を消したネアンデルタール人。
20万年もヨーロッパで繁栄した彼らが、なぜ姿を消したのか、
その理由は明らかではない。
我々、ホモ・サピエンスがヨーロッパに進出してから4万年。
私たちは、700万年に渡る祖先達の挑戦や失敗の冒険の果てに
現在を生きているのだ。