09/10/26 OA
恐怖の パニックフライト ファイル
【ファイル1】
1990年6月10日。
乗員乗客87人を乗せた、ブリティッシュ・エアウェイズ5390便は、
イギリスからスペインへ向け、飛び立った。
離陸から10分後、安定高度に到達すると
機長は、操縦を手動から自動へと切り替え、シートベルトをはずした。
と、その時!
突然、コックピットのフロントガラスが吹き飛び、
機長が外へ吸い出されてしまったのだ。
だが偶然にも、足首が操縦桿にひっかかり、
体は、かろうじて機体にへばりついていた。
とは言え、時速550キロのすさまじい風圧にさらされ、
その体はふき飛ばされる寸前。
そこへ、異常に気づいた客室乗務員が駆けつけ、
二人がかりで機長の足をおさえ続ける。
そして、この状態のまま、副操縦士は近くの空港へ緊急着陸。
すると機長は、絶望的な状況に20分以上おかれていたにもかかわらず、
右腕骨折と、わずかな凍傷を負っただけで、命に別状はなかったのである。
この事件の原因を調査すると、フロントガラスを止めていたボルトが
本来使用すべきボルトより、わずかに細かった事が原因だった。
【ファイル2】
1989年2月24日、ハワイホノルル空港。
ユナイテッド航空811便は、乗員乗客355人をのせ、
ニュージーランドに向け飛び立った。
離陸から20分後、高度7000メートルに到達。
すると突如、激しい爆音と共に貨物室のドアが吹き飛び、
上にある客室の壁までもぎ取られてしまったのだ。
乗客たちの多くは、かろうじてシートベルトでつなぎとめられていたが、
いつ吹き飛ばされても、おかしくない状況。
ただちに、機長はホノルル空港に緊急着陸した。
すると、機体側面には、縦12メートル・横3メートルもの巨大な穴が!
だが、これだけの大事故にもかかわらず、346人は無事、
しかし残念ながら、9人が行方不明になってしまったのだ。
その後の調査の結果、事故原因は電気系統の異常で
貨物ドアが開いてしまった事だと判明したのである。