韓国料理で特に人気の食材、イイダコ。
鍋にしてよし、刺身でよし、炒めてよしと、みんなが大好きな食材である。
そんなイイダコは、毎年3月頃になると、
産卵のため、浅瀬へとやってくる。
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だが、体長20センチと、体の小さいイイダコには、
たくさんの危険が待ち受けているのだ。
カニに襲われたり、ヒトデに襲われたり。
それでも生き延びたイイダコたちは、貝殻などに身を隠す。
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これは、イイダコの習性なのだが、
中にはゴミとして沈んでいるインスタントラーメンの袋に隠れるものも。
一方、さざえの貝殻に身を潜めたイイダコは・・・
なんと、貝殻ごと引っ張り上げられ、海上へ・・・
実は、サザエの貝殻は、イイダコ漁のための罠だったのだ。
こうして、5月。
イイダコの交尾の季節がやってきた。
実は、オスの脚の1本が生殖器となっており、
これをメスの体内に差し込み、受精させるのである。
その後、メスは一人で貝殻などに卵を産み付けていく。
卵は、多いときで、およそ500個にもなると言われ、
それら全部が孵るまで、メスは何も食べずに卵の世話をし続けるのだ。
だが、子育ての最中にも、
ヒトデが襲ってきたり、オスたちが交尾をしようとしたり、
イイダコの母と子には危険が付きまとう。
そして、7月。
ようやく、子供たちが巣立つ日がやってきた。
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母ダコは、子ども達を送り出すと力尽き、
ヒトデに襲われ、その生涯を終えたのであった。
寿命1年と短い、イイダコの生涯。
だが、子孫を残すため、小さな体で懸命に生きているのである。
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