生まれつき両足と右腕に障害がある「少年セジン君(12歳)」。
彼は3年後のロンドンで開催されるパラリンピック出場を目指している
水泳選手だ。
そんな彼を怒鳴りながらコーチするのは母親の「ジョンスクさん」。
しかし、彼女とセジン君は実の親子ではない。セジン君は養子なのだ。
|
|
セジン君は生後5か月の頃に児童養護施設で保護されたのだ。
その施設でボランティアとして働いていたジョンスクさんが
養子に迎え入れたのだ。
ジョンスクさんはセジン君に生き甲斐となるものを見つけられるようにと
ダンスや登山、ボーリングなどに挑戦させた。
そんな中、セジン君が興味をもったのが水泳だったのである。
今年の3月、イギリスで開催された≪世界幼少年障害者水泳大会≫に参加。
ヨーロッパの選手たちはコーチや監督と共に大掛かりなチームで
参加しているがセジン君は母親とたった二人きりの最小チーム。
競技は年齢や障害の程度によってクラス分けされている。
セジン君は最初の競技<バタフライ50m>で自己ベストを2秒も短縮、
クラス別で金メダルに輝いた。
その後も2つの競技で自己ベストを更新し金メダルを獲得。
|
|
残るのは<背泳ぎ>と<自由形>。
だが、ここでイギリス東部代表の「シャン・マクキーバ選手」という
強敵が登場。
<背泳ぎ>ではシャン選手に6秒近くも差を付けられ、セジン君は銀メダル。
最後の種目でセジン君が最も得意とする<自由形>。
3年後のパラリンピックもこの種目で出場したいと願っているのだ。
ライバルはもちろんシャン選手だ。二度も負けるわけにはいかない!
しかし…
シャン・マクキーバ選手に0.3秒遅れで銀メダル。
またしても敗れてしまった。
自信があっただけに呆然とするセジン君。しかし外国でたった一人戦った
息子を母親のジョンスクさんはいつまでも讃えたのである。
|