10/03/01 OA
アイナメパパ 奮闘記
アイナメは通常褐色をしている。
しかし繁殖期になると2ヵ月間、オスだけが「婚姻色」に変わる。
アイナメの婚姻色はきれいな「黄金色」だ。
<韓国近郊の海>では10月になると、
体長50センチ、きれいな黄金色になったアイナメのオスを見ることが出来る。
彼らは派手な体を小刻みに震わせるダンスで、メスを誘惑し、卵を産ませる。
しかしアイナメ界では、産まれた卵の面倒を見るのは、オスの仕事。
アイナメの卵は、他の生き物たちの格好の餌食であるため、
父親たちは卵を奪われないよう、食事も取らずつきっきりで面倒を見る。
「ウニ」や「ヒトデ」だけでなく、卵を狙う他のアイナメを追い払い、
卵にゴミが付着すれば取り除き、酸素を送るため必死にヒレを動かすのだ。
父アイナメ自身もまた、他の生き物に狙われる存在である。
「ミズダコ」、「アンコウ」といった自分よりも体の大きな生き物に
食べられてしまうこともしばしば。
残された卵の中には、なんとか生きようと急いで孵化を始める者もあるが、
殆どが食べられてしまう。
無事孵化できた赤ちゃんアイナメは、父親の元を離れ、独り立ちする。
赤ちゃんの群れは、たちまち他の魚に狙われるが、父親はもう助けない。
これからは、自分の力だけで生き抜いていかなければならないのだから。
そして彼らは将来、子孫を残すための厳しい戦いに挑んでいくのである。
自分が父親にそうしてもらったように。