10/04/19 OA
飛行機落下謎の光の正体を追え!
1982年6月24日。
乗員乗客263人を乗せた「ブリティッシュエアウェイズ9便」は、
<オーストラリアのパース>に向かってインドネシアの上空を飛んでいた。
すると突然、飛行機は青白い謎の光に包まれ、更にエンジンが火を吹き始め、
4つのエンジン全てが停止してしまった!
管制センターと連絡も取れないまま、進路を変更し、最も近くにある
<インドネシア>の空港を目指すことに。
しかし、空港の手前には山脈があり、エンジンを再起動させなければ
超えることは出来ない。乗客たちの中には遺書を書き始める者もいた。
クルーは諦めずエンジンの再起動を繰り返す。
すると、何度も挑戦するうち、これまでまったく動かなかったエンジンが、
なぜか起動し始め、4つのエンジンが全て正常に戻った。
その後、なぜかフロントガラスが曇ったり、前が見えない状態に陥ったものの、
機長は高度計だけを頼りに見事、着陸に成功した。
この不思議な現象が数々おこった奇妙な事故は、すぐさま調査が行われた。
すると、エンジンの中に、細かい砂のようなものが詰まっていた。
その正体は『火山灰』。
実はフライトの夜、<ジャワ島>にある「ガルングン火山」が大規模な噴火を
起こしており、機体はその火山灰の中に、何の情報もないまま突っ込んで
しまったのだ。
エンジンに吸い込まれた火山灰は高温で溶かされ、エンジンに詰まり、
回転を止める原因になってしまったのだ。
ではなぜその後エンジンは再起動したのか?
それは、エンジンに詰まっていた火山灰が、エンジンが止まったことにより
冷えて固まり、剥がれ落ちたためだったのである。
フロントガラスが曇って見えたのも、固い岩や鉱石の細かい破片が、
ヤスリのように飛行機の表面を削ったため。
更に"青白い光"の正体も、機体と火山灰が起こした、激しい摩擦によって
発生した静電気。その静電気が管制センターとの通信も妨害していたのだ。
この事故によって、飛行機にとって火山灰が、いかに危険なものであるかが
判明。多くの航空会社が、火山学者たちから情報の提供を受けるようになり、
事故を教訓とした安全マニュアルが作成され、対策が取られようになった
という。