10/05/17 OA
アルプス子鹿物語
アルプス山脈でアカシカの赤ちゃんが誕生。 様々な厳しい試練を乗り越えながらアルプスを生き抜くアカシカの1年を追う。
春
生まれたばかり子鹿には危険が待ち受けていた。アカキツネが狙っていた。
そんな危険から子鹿を守ってくれるのが、体に付いた斑点。幼い頃まで見られ
る模様で、森の木漏れ日のようにみせ、カモフラージュしてくれる。
この斑点のおかげで、子鹿はアカキツネに見つからなかった。
夏
アカシカの群れも、エサを求め緑生い茂る大地へ大移動を始める。そんな中、
人間も放牧をしに山にはいる。臆病なアカシカは、人間の声や放牧の牛の鳴き
声に逃げまどう。
秋
アカシカに恋いの季節が訪れた。
オスはメスを射止めるため角をつき合わせ、戦いを繰り広げる。
中には20頭ものメスを射止める強者もいると言う。だが、子孫を残すため
精力を使い果たしたオス達は、この時期30キロもの体重を落とすと言われ、
冬を迎える前に力尽きてしまうオスも少なくない。
冬
子鹿に訪れた初めての冬。
雪に覆われた山々では餌が少ない。子鹿も雪の中から僅かな草を見つけ、
餓えをしのいでいた。だが、そんな子鹿に悲劇が襲う。
スキーヤーに驚いて逃げた母親が雪に足をとられバランスをくずし、
崖からすべり落ちてしまった。母を失った子鹿は群れに戻るも、メス鹿には
自分の子供しか育てない習性があるため、子鹿は自力で生きていくしかない。
そして春、立派にキビシイ冬を乗り越えた子鹿の姿が。
これからも力強く大人のオス鹿へ成長していくことだろう。