「火事場の馬鹿力」を科学的に分析し、
人間に備わる神秘のパワーの正体に迫る、イギリス制作のドキュメンタリー。
ケース1
<カナダ>の6階建てのオフィスビルで火災が発生。現場に向かった消防士、
「ジョージ」は火元を突き止め直接消火するために、仲間の消防士とビルの中へ。
しかし最上階の6階に到達した時、「ジョージ」の頭上に瓦礫が落下。
その衝撃で左肩を脱臼、腰骨を骨折し全く身動きが取れない状況に。
すると瓦礫の衝撃と重さで床が抜け、「ジョージ」は12メートルの落下、
さらにそこへ270kgもの巨大な柱が落ちてきた!
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ところがここで、彼は驚くべき『火事場の馬鹿力』を発揮する。
右手一本で270キログラムの柱を持ち上げ、自分の体の上から押しのけ、
無事救出された。その後彼は必死のリハビリを受け、消防士に復帰した。
しかしなぜ彼は満身創痍にもかかわらず、270kgもの柱を持ち上げられたのか?
この時彼の脳では『エンドルフィン』と呼ばれる物質が放出され、神経に入り込み、
痛みが脳に伝わるのを遮断していた。これにより、一時的に脱臼や骨折の痛みを
感じなくなっていたと考えられる。
さらに極限状態で『アドレナリン』が放出されたため、筋肉への血液量が増え、
普段は使っていない、体の奥底に眠ったパワーが呼び起こされたのだ。
これが、『火事場の馬鹿力』の正体なのである。
ケース2
<アメリカ、ジョージア州>で「トニー」が、車のメンテナンスをしていた。
およそ1,6トンもある車体を、何とも頼りないジャッキで持ち上げ、
タイヤとボディとの間に体を入れて部品を交換していると、
なんとジャッキが外れ、「トニー」が車体に挟まれてしまった!
近所の男の子からの知らせで駆けつけた「トニー」の母「アンジェラ」は
息子が車に挟まれて動けなくなっているのを見て『アドレナリン』が放出され、
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なんと1,6トンもある車のボディを、助けが来るまでの5分もの間、
女手一つで持ち上げ続け、「トニー」が圧迫死しないようしていたのだ!
そのおかげで、「トニー」は2日後、無事退院。
「火事場の馬鹿力」とは、人の強い思いが呼び覚ます奇跡のパワーなのだ。
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