10/07/26 OA
マラウイ発 野生動物VS人間 仁義なき戦い
ヤギの放牧が盛んに行われている<アフリカ南部・マラウイ共和国>。「チーター」
が一匹のヤギを狙った。飼い主は自分のヤギを守ろうと、棒きれ一本でチーター
に立ち向かっていく。そして、他の人達もチーターのシッポを引っぱって引き離し
にかかる。結局チーターの粘り勝ちで、飼い主はヤギを諦めた。
マラウイでは野生動物は厳重に保護されており、たとえ家畜が襲われようと、
たとえどんなに憎くとも、動物を無闇に殺すわけにはいかない。
マラウイでは国内のあちこちに野生動物を守る『自然保護区』が作られているが、
水飲み場の湖から遠く離れている。そのため乾期を迎えると、動物たちは、水を
求め、湖を目指す。しかし湖の周辺には、人間の居住エリアがあり、水を求めやっ
てきた野生動物とそこに住む人間の間で、トラブルが頻繁に発生している。その
度、重要な観光資源である野生動物を守るため、莫大な費用を使い、野生動物
を捕まえて自然保護区へと連れ戻さなければならない。
中には人間を襲う動物もいる。それが「カバ」。カバを発見すると、ガラクタを寄せ
集めて作った道具で、遠くから音を出す。捕獲作戦にはカバの大好物である干し
草を使う。
マラウイ南部の村では、カバ以上に乱暴な「ゾウ」に怯える。
畑仕事中の男を踏み殺すという被害も発生している。そこで、マラウイ政府は
ゾウ捕獲に乗り出す。まずヘリでゾウを追跡し、麻酔銃で眠らせる。
獰猛なゾウが捕まったと人々は大喜び。まるでお祭りでも始まるかのような
人だかりが出来た。
マラウイ野生動物管理所長によると、元々ここはゾウの大事な水飲み場でも
あった場所。ここに土地のない農民が移住してきたから、トラブルが発生して
いた。にもかかわらず、後からやってきた人間に侵入者扱いを受けているゾウ。
本当の侵入者は、いったい誰なのか?