世界まる見え!テレビ特捜部
10/08/16 OA
ヨーロッパ 吸血鬼パニックの真実

『吸血鬼伝説』。それはヨーロッパ各地に古くから伝わる恐怖の伝承。
当時の人々は『疫病などの災い』が発生すると、それを"吸血鬼の仕業"だと
考え、罪を犯した者など「吸血鬼の疑いのかかる人間」の墓を掘り起こしては、
2度と蘇えらないよう、心臓に杭を打ち込み、頭部を切断したと言う。



そんな『吸血鬼パニック』のきっかけとなった人物が、悲劇の人生を送った
「エレオノラ・アマリー公爵夫人」である。
「エレオノラ」は夫である公爵との間に子どもが出来ない事を悩んでいた。
そしてそれを解決する為『悪魔の力』に助けを求めてしまったのである。
当時"オオカミの乳"には『子どもを宿す力』があると信じられていた。
だが、一方で『オオカミは悪魔の仲間』とも考えられていた為、オオカミの
乳に手を出す女性などいなかったのである。しかし「エレオノラ」だけは、
『悪魔の力』を借りるつもりで"オオカミの乳"を飲み続けた。
そして無事に男の子を出産。「エレオノラ」、実に41歳の時であった。
だがその後、夫である公爵が急死すると、その親族から「悪魔の力を信じる
女に、子どもは任せておけない!」と、「エレオノラ」は息子と離れ離れに
させられ、深い悲しみから、体調を崩してしまった。



すると彼女は、またしても『悪魔の力』に頼ってしまう。
何と、まったく効くハズの無い『怪しげな薬』を買い漁り始めたのである。
更に悪い事に、彼女の体調不良の原因が分からなかった医師たちにより、
『彼女は"悪魔の力"に頼った報いで"吸血鬼になる病"にかかっている!』
という診断を出されてしまったのだ!



こうして1741年、「エレオノラ」は60年の孤独な生涯を終えたのだが、
彼女遺体は"解剖"されたのである。これは「エレオノラ」が吸血鬼として
蘇るのを防ぐ為『心臓にとどめを刺す儀式』だったと考えられている。
そして『公爵家代々の墓』に入ることを許されず、離れた町の小さな教会に
葬られたのである。
だが「エレオノラ」の遺体が埋葬された町『チェスキー・クルムロフ』の住民
は穏やかではなかった。『吸血鬼』の女性が自分たちの町に葬られたと聞き、
大パニックが起こってしまったのだ!
彼らは自分の家に"吸血鬼よけの十字架やニンニク"を飾っただけでは気が
済まず、"襲われる前に攻撃しよう"と、『吸血鬼探し』を始めてしまった
のである!
そしてその"凶行"ともいえる『吸血鬼パニック』は数年間に渡って行われ、
その間、実に多くの死体が、心臓に"杭"を打ち込まれたのである。



今回、「エレオノラ」の埋葬された教会での調査が行われ、地下に埋められた
彼女の"棺の姿"をカメラがとらえた。
すると、260年ぶりに現れた「エレオノラ」の棺の上には、大きな石や木が
置かれていた。当時の人々が、彼女が吸血鬼として復活する事をいかに恐れて
いたかが伺われる。



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